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高松で「讃岐リミックス」 香川の職人と日本を代表するアーティストがコラボ

コラボ作品のうちわ。日本で最も薄い和紙「土佐典具帖紙(てんぐじょうし)」を使う

コラボ作品のうちわ。日本で最も薄い和紙「土佐典具帖紙(てんぐじょうし)」を使う

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 玉藻公園披雲閣(高松市玉藻町)で1月22日・23日の2日間、香川の伝統工芸や地場産業を支える職人(アーティザン)と、国内外で活躍するアーティストがコラボレーションしたプロジェクト「SANUKI ReMIX(讃岐リミックス)」の展示イベントが開催された。

作庭家集団「ひふみ」が手掛けた会場装飾の一部

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 当初は1月22日~29日の開催予定だったが、県内でも新型コロナウイルス感染が拡大し「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受け、会期を縮小。来場者にはワクチンの2回接種を証明する書類の掲示を義務付けた。

 会場装飾は作庭家集団「ひふみ」が手掛け、松の木でアーティザンとアーティスト、2つの渦の交わりを表現。オープニングセレモニーでは、盆栽師の平尾成志さんがツードラムユニット「cowbells」の音楽と共に「盆栽ライブパフォーマンス」を披露した。パフォーマンスには、盆栽園「北谷養盛園」の北谷隆一さんが提供した樹齢100年以上の黒松が使われた。

 「丸亀うちわ」伝統工芸士の三谷順子さんはアートディレクターの小杉幸一さんとコラボし、新しいうちわ作りに挑戦。素材の竹に刻印する、色を付けるといった初の試みの苦労を語り、「完成した時は、24年間うちわを作っていて初めて興奮した」と手応えをにじませた。

 石工アーティスト集団「たぶん、加工。」はプロダクトデザイナーの花澤啓太さんと共に、庵治石を使った砂時計型のスツールを制作。「隣の部屋に展示している、加工前の石と石工道具から見てほしい」と説明し、職人の手仕事による石の表情の変化を伝えた。

 手袋メーカー「ダイコープロダクト」の川北康伸さんは盆栽師の平尾成志さんとタッグを組み、ワークシーンでも使いやすい男性用ファッショングローブブランド「成 Sei」を開発。平尾さんの意見を聞きながら、指先のフィット感や夏場でも蒸れにくい通気性など多数の機能を持たせた。

 「薫る農園」の河田薫さんと「川口屋漆器店」の佐々木康之さんは「ヴィーガンレストラン菜道」シェフでフードスペシャリストの楠本勝三さんと協力し、香川の野菜を香川漆器で提供するレストランを2日間限定で開業。「温故知新」をテーマに掲げ、「今まであるものに新しい付加価値を与えたい」と、新鮮な野菜のビーガン料理を艶やかな象谷塗の器に盛り付けた。

 総合プロデューサーは、「人生は上々だ」(牟礼町)社長でクリエーティブディレクターの村上モリローさん。「今回のプロダクトではアーティザンの方々の技術と、何よりも志の高さを感じられた。ここからスターになるようなアーティザンの方を生み出せるように、定期的にこのプロジェクトを続けていきたい」と意気込みを見せる。

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