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高松「石の民俗資料館」で地元ガラス作家の企画展 地場産業生かした作品制作

作品前の杉山利恵さん

作品前の杉山利恵さん

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 高松市石の民俗資料館(高松市牟礼町牟礼)で現在、高松市出身のガラス作家である杉山利恵さんのアート展覧会「Blue Blue Green-Aji Glass&Olive Glass-」が開催されている。

「庵治石硝子」や「オリーブ硝子」がきらめく作品

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 杉山さんが開発した「庵治石硝子」と「オリーブ硝子」を使ったアート作品を展示する同展。「人工的なものではなく自然由来のもので、ふるさと香川の穏やかな空気やのんびりとした時間を表現したい」という杉山さんの思いから、この2つのガラスが創出されたという。

 地場産業である庵治石と、オリーブの枝葉をそのままガラスに溶かしこんで制作する2つのガラス。庵治石とガラスを混ぜると化学反応で青が発色し、オリーブの枝葉を燃やした灰や炭をガラスの原料に溶かすと緑が発色する。自然由来の着色のため、素材の個体差によって発色に微妙な違いが生まれるのも特徴。

 讃岐の土地から生まれた2種類のガラスは、共に香川県産品コンクールで受賞を果たしており、瀬戸内の海を映したようなブルーの「庵治石硝子」は審査員特別賞、香川県を象徴するようなオリーブグリーンの「オリーブ硝子」はオリーブ部門知事賞を受賞している。

 同展では「月」をモチーフにした作品群やガラス片を波紋に見立てた「想(おも)いの一滴から~それぞれのStory~」などの作品を展示する。

 月をモチーフにした理由について、杉山さんは「月には特別な関係性を感じる。今回『満月』『新月』『三日月』をモチーフにした作品を展示しているが、月の表情が違えば、そこから得る印象や受け取るエネルギーも変わってくる。そのことを表現したかった」と話す。

 同展について、「瀬戸内の空気感を表現した作品を用意した。『想いの一滴から~それぞれのStory~』はガラス片を使い会場で制作した作品。展示が終われば崩す。日頃は器類を主に制作するが、それとは異なるここでしか見られないアート性の高い作品やガラスのきらめきを見てほしい」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。入場料は、一般=200円、 大学生=150円、高校生以下無料。5月29日まで。

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