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香川ファイブアローズとカマタマーレ讃岐、閉校した中学校を合同で拠点化

カメラに向かって笑顔を見せるカマタマーレ讃岐・松原哲裕常務、大西秀人高松市長、香川ファイブアローズ・藤田秀彰社長(左から)

カメラに向かって笑顔を見せるカマタマーレ讃岐・松原哲裕常務、大西秀人高松市長、香川ファイブアローズ・藤田秀彰社長(左から)

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 B2「香川ファイブアローズ」、J3「カマタマーレ讃岐」が4月から、昨年3月で閉校した旧鶴尾中学(高松市松並町)を拠点として共同で活用している。同校跡で5月26日、高松市と共同で会見を開いた。

記者の質問に答える大西市長

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 会見には大西秀人高松市長、香川ファイブアローズ・藤田秀彰社長、カマタマーレ讃岐・松原哲裕常務が出席した。

 4月から同校跡の利用を始めた両チーム。ファイブアローズが体育館を練習場として、カマタマーレが校舎北棟をクラブハウスとして利用する。今回の共同利用の背景には、それぞれのチームが抱えていた問題があった。

 ファイブアローズ・藤田社長は「これまで当チームは市の体育館などの公共施設を借りて練習を行ってきたが、先に他の予約が入って施設が使えなかったり、練習時間にも制約があったりして思うような練習ができなかった。4月から体育館をトップチームとユースチームの練習場所として使い始めた。先のシーズンでB2リーグ優勝やプレーオフも1勝することができたが、一日中使える専用の練習場所を確保できたことが大きな役割を果たしていると思う。練習場所の確保にかかる費用は増えたが、個人練習やチーム練習がまとめて行える場所を持てたこと、選手のメンテナンスも移動が必要だったのを省くことができたのは大きい」と話す。

 一方、カマタマーレ讃岐はクラブハウス問題が長年の課題だった。従来の社屋は選手が集まるには狭く、ミーティングのためにホテルの会議室を借りたり、時には練習で使う公共施設のロッカールームで地べたに座りながらミーティングを行ったりすることもあったという。今回、放送室をトレーナーケアルーム、図書室をミーティングルームにするなどして校舎を活用。

 同チームの松原常務は「今年4月に旧社屋から移転し、これまで抱えていた『クラブハウス問題』が解消されたのは非常に大きい。主に使うのは校舎だが、ゆくゆくはグラウンドを地元との交流などに利用していければ。ファイブアローズとも切磋琢磨(せっさたくま)して、スポーツのジャンルを超えて香川を元気にするような活動をしていきたい」と意気込む。

 両チームの共同利用について、大西市長は「地元のトップチームがこのように拠点として利用したいと申し出てくれるのは市としてありがたいこと。人口減少が進む状況で、学校の統廃合は避けられないことかもしれないが、廃校になっても施設は残る。それをどう使っていくかが重要。今回のケースは全国的に見ても注目すべき取り組みで、地元の人にとってもなじみの場所がこのような形で残ることはうれしいのでは。さらなる飛躍につなげてほしい」と期待を込める。

 会見では、8月にスポーツを絡めた夏祭りも検討していることや、同じく香川で活動する四国アイランドリーグ・オリーブガイナーズとも共同で地域を盛り上げる活動をしたいという話も上がった。

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