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「夏の塩江の新たな遊び方」を提案 香川県の高校生がワークショップ

旧上西小学校の体育館でプレゼンテーションが行われた

旧上西小学校の体育館でプレゼンテーションが行われた

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 高松・塩江町の閉校した旧上西小学校(高松市塩江町)で8月4日、香川県の高校生が新たな塩江の遊び方を考えるワークショップ「かがわイノベーションプログラム」の集大成となるプレゼンテーションとグループ討論を行った。

4日間を通じ、それぞれが感じた塩江の課題・魅力を提示

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 香川県教育委員会と香川大学創造工学部主催で8月1日~4日、新たな塩江の遊び方を創出・提案し、塩江町の少子高齢化や地域資源の活用について、その課題と解決プロセス、新規性の高いアイデア創出などを目的に開いた。昨年スタートし、2回目となる今回は高校生31人が参加。6グループに分かれ、「夏の塩江の新しい遊び方を提案する」ことをテーマに、ロジカル思考や問題提起などの過程を経てプレゼンテーションにまとめ、発表した。「道の駅しおのえ」周辺での川遊びや「大滝山県民いこいの森」での山遊びなどのフィールドワークも行い、塩江の実態・魅力に触れた。

 プレゼンテーションでは4日間のワークショップを通し、各々が気づいた塩江の抱える課題や魅力を提示、そこから考え出した企画をスライドも交えながら発表。プレゼンテーションでは、塩江に多く自生する竹を使ったサウナ施設や竹の水鉄砲を使ったサバイバルゲーム場などのレジャー、廃校を使ったホテルやカフェ、塩江のまちを回ってワードを埋めていくクロスワードパズルなどのアイデアが飛び出した。地元住民も参加し、地元の祭りやイベントに携わった経験も元に、安全面や実現性、現状などを交えながらフィードバック、質疑応答を行った。

 この日イベントの進行を務めた一般社団法人「トピカ」(塩江町)代表理事の村山淳さんは「4日間の駆け足だったが、どのグループも期待していた以上のものを発表してくれた。論理的思考や問題解決思考の養成が目的なので、事業としてやっていくにはここから予算や設備の整備など解決すべき課題もある。それでもこの活動を通して塩江の現状を知ってもらったこと、地域の方々の取り組みを知ってもらったことに意義があるのでは」と話す。

 昨年に続き、ワークショップに携わった香川大創造工学部の石塚昭彦教授は「どの生徒もモチベーションが高く、真剣な目をして取り組んでいた。昨年はコロナの影響で夏から冬に延期したり、グループワークからプレゼンテーションまで2週間空けざるを得なかったりするなど思うような環境下でできなかったが、今年は4日間で集中して取り組めたこともあり、昨年よりレベルの高いワークショップになった」と振り返った。

 塩江の現状について、「塩江ほど過疎化が進んでいるところは見たことがない。農業や林業などの産業も十分とは言えず、観光資源としてホタルや温泉などはあるものの十分な数の観光客を呼びこんでいるとは言いがたい状態。そうした中でトピカのように地域を盛り上げるべく活動しているところもある。地域に根ざした大学として今後も問題を解決する手伝いができれば」とも。

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