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高松・男木島に宿泊施設「鍬と本」 築120年の邸宅をリノベーション

施設外観(撮影=Ruiko Okada)

施設外観(撮影=Ruiko Okada)

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 古い家屋をリノベーションした宿泊施設「鍬(くわ)と本」が6月2日、高松・男木島(おぎじま)にオープンした。

男木港が見下ろせる

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 かつて郵便局舎として使われていた築120年の「旧崎中邸」をリノベーションした同施設。2021年3月に郵便局舎をリノベーションしたコワーキングスペースをオープン。今回、前の持ち主が住んでいた住居を一棟貸しの宿泊施設としてリノベーションし、利用受け付けを始めた。

 宿泊施設を始めた経緯について、同施設を経営する「ケノヒ」代表の福井大和(やまと)さんは「前の住人より年を取って家を壊すかどうか悩んでいると相談を受けた。移住の相談があった時に物件として紹介もしたが入居には至らず、長く親しまれてきたこの場所をなくすのはもったいないと考え、自分たちで購入することにした。島への移住相談は増えているが、すぐに住める状態の空き家は少なく、試しに長期滞在できる場所がない。中長期の体験移住も視野に入れた宿泊が可能な『男木島を体感できる場所』として再構築した」と話す。

 宿泊施設は2階建てでリビング、キッチン、寝室2部屋の計4部屋で延べ床面積は86.671平方メートル。ウッドデッキの付いた中庭ではバーベキューもできる。キッチン、冷蔵庫、洗濯機、バスタオル、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ドライヤーを備えるほか、フェースタオル、竹歯ブラシ、竹ぐし、バーベキュー機材などを有料で貸し出す。

 施設について、福井さんは「家族で移住して、子どもたちのために島の小学校を再生させた時から自分たちの活動の根底には教育がある。子育て世帯などファミリー層に一棟貸しで利用してもらい、宿で過ごした時間を通じて、訪れる子どもたちの思い出や豊かな経験を作る手伝いをしたい。コワーキングスペースと組み合わせて企業にラボのように一定期間使ってもらうことも考えている。それ以外にも、地域住民との交流など島での体験を求めている方に利用してもらい、人と人とのつながりを作りたい」と意気込む。

「瀬戸内国際芸術祭をきっかけに島外からも多くの観光客が訪れ、受け入れるための施策も始めたが、根幹にあるのは島での生活。島民の生活や島に元々ある文化を壊さず、かつ訪れる人たちにも文化や生活を知ってもらう『共にある観光』を作り上げたい」とも。

 営業時間は9時~17時。利用料は、6人まで1泊5万5,000円、それ以上の人数で利用の場合、1人当たり8,800円の追加料金が発生する。最大10人まで宿泊可能。ウェブサイトで申し込みを受け付ける。

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