
県内の新たなビジネス創出を目指す「かがわビジネスアイデアコンテスト i-Con」の最終発表会が10月12日、情報通信交流館「Setouchi i-Base(セトウチ・アイベース)」(高松市サンポート)で開かれた。
インバウンド層向けの夜間観光案内所について発表した北澤さんのプレゼンテーション
同コンテストは、香川の未来を担うビジネスアイデアを発掘し、その実現を支援することを目的とした取り組み。書類選考を通過した7組のファイナリストが、審査員と観覧者の前でそれぞれのビジネスプランを発表した。熱のこもったプレゼンテーションの結果、北澤裕子さんの「夜間特化の観光案内所」がグランプリに輝いた。
グランプリを受賞した北澤さんは、外国人観光客の増加に伴い「夜間に楽しめる場所が少ない」という課題に着目。「高松の夜を案内するコンシェルジュが常駐する観光案内所」の設立を提案した。大学時代の一人旅で、訪れた土地の人々と触れ合った経験が発想の原点にあるという。審査員からは「ありそうでなかった隙間を埋めるアイデア。実現性が高い」と高く評価された。北澤さんは「頭の中にあったアイデアを人に話す機会になり、仲間もできた。一歩踏み出して良かった」と喜びを語った。
準グランプリには、廣澤彩芽さんによる「猫の老後を看る猫福祉士」の育成プランが選ばれたほか、観客投票による「観客賞」には「たびそふと」の高崎真希さん・中川健太郎さん夫妻による、犬のリアルタイム位置情報やプロフィールを可視化するサービス「DoggyGo」が選出された。
そのほか、親子で通える習い事教室のローテーションサービスや、外見に悩む経営者向けのファッションコーディネート、自己理解を深めるためのオンラインコミュニティー、実際の農業体験と農業シミュレーションゲームを融合したサービスなど、多彩なアイデアが発表された。
特別講師として登壇したレッドブル・ジャパン元代表の内野正仁さんは「2カ月前の1on1では、思いはあるが具体性に欠けるプロジェクトが多かったが、今日の発表は大きくブラッシュアップされていて驚いた。新しいアイデアほど最初は共感を得にくいもの。諦めず実現に向けて継続してほしい」とエールを送った。
審査員を務めた森田桂治さんは「皆さん、課題をどうにか解決しようという熱意が伝わってきた。昨今、高松でも瀬戸芸で外国人観光客の姿が多く見られるので、グランプリのアイデアはぜひ早く形にしてほしい」と締めくくった。