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瀬戸芸2025閉幕 沿岸部にも拡大、17会場で250超の作品披露

出席者の集合写真

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 瀬戸内海の島々や香川県各地を舞台に開催された「瀬戸内国際芸術祭2025」が11月9日、閉幕した。

閉会宣言をする池田豊人香川県知事

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 今回の芸術祭は、新たに志度・津田エリア、引田エリア、宇多津エリアが加わり、全17会場で展開。4月に開幕し、春・夏・秋の3会期にわたる約100日間の期間中、37の国と地域から216組のアーティストが参加し、250を超える作品や20のイベントを披露した。

 同日、JRホテルクレメント高松(高松市浜ノ町)で行われた閉会式には、関係者約200人が出席。会期を締めくくる映像上映の後、主催者を代表して池田豊人香川県知事があいさつした。池田知事は「今回は島々に加え、さぬき市や東かがわ市など沿岸部にも展開し、アートを通じて地域に暮らす人々との新たなつながりを生む芸術祭となった」と総括。「今回の瀬戸芸は終わるが、次回2028年に向けた歩みは明日から始まる。瀬戸内海の自然とそこに暮らす人々を愛し、訪れる人が増える芸術祭を目指したい」とも。

 福武總一郎総合プロデューサーは、「酷暑の夏だったが、大きな事故もなく無事に終えられたことをうれしく思う。ボランティア団体『こえび隊』や地域の人々によるおもてなしの質も年々高まっており、回を重ねるごとに地域の誇りとなる芸術祭に育っている。3年に1度の開催だけでなく、その間の2年間が地域の力を育てる大切な時期」と話す。

 北川フラム総合ディレクターは「2010(平成22)年の初回から淡々と続けてきたことがここまでの広がりを見せるとは思わなかった」と述懐。「東かがわ市では地場産業の手袋を使ったアートなど、新しい展開も生まれた。海外からの来場者も多く、海を通じて世界とつながる実感を得た。一方で船を中心とする交通インフラには課題もある。今後は県だけでなく、各市町が主体的に参加できる芸術祭を目指したい」と意気込む。

 式典では、各会場を代表して島民らが活動を紹介。ジュール・ベルヌの小説「80日間世界一周」をモチーフに、気球が島々を巡り各地の取り組みを紹介する演出が行われた。男木島からはパフォーマンス集団「きゅうかくうしお」が歌と楽器のステージを披露。かつて塩作りが盛んだった宇多津町からは、塩田で歌われていた「宇多津はまひき歌」が響き、島民によるビデオメッセージも上映された。

 クライマックスでは、和楽器パフォーマンス集団「切腹ピストルズ」の太鼓や笛の音に合わせて参加者が一斉に踊り、華やかにフィナーレを迎えた。最後に池田知事が登壇し、閉会を宣言。約半年にわたる芸術祭の幕を閉じた。

 次回の開催は2028年。

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