香川在住の仏画師・香川沙織さんの個展「香川沙織仏画展~静寂と対話~」が11月12日、日内山霊芝寺(さぬき市)客殿で始まった。
霊芝寺客殿での香川さんの個展は2回目。今回は、仏画を通して「静寂と対話」の時間を人々に提供したいという思いから、「仏と対話する」をテーマに企画した。作品は19点で、母・幸江さんの作るフラワーアレンジメントと共に展示。「明るすぎず落ち着いたトーンで統一することを意識した」と香川さん。香もたき、心をほぐすような「瞑想(めいそう)をするのに良い場」となることを目指す。仏画のほか、香川さんが手がけた絵本やムクロジの実を使ったストラップキーホルダーも販売する。
「仏は尊敬できる上司や先輩みたいな感覚で、言葉を生き方のヒントにしてきた」と話す香川さん。仏画を描き始めて15年になる。「幼少期から母に寺参りに連れられることも多く、仏教は身近な存在だった。絵を描くことが好きで日本文化を伝えるような活動をしたいと思っている中で、成田山・聖代寺(高松市屋島東町)の山口恵照さんの仏画に出合い、一目ぼれして山口さんに師事した」と活動を振り返る。
「この寺はわが家の菩提(ぼだい)寺で好きな場所でもある。2年前に客殿を改修したのでその場所で何かできないかと作品展を始めた」と香川さん。「描いた仏を家に飾るよりもみんなに見てほしいという思いもある。来る人に日頃のストレスを置いて心を緩める時間を持ってもらうとともに、昔から日本にある神仏に手を合わせる気持ちを再確認する場にできれば」と話す。
開催時間は9時~16時(最終日は15時まで)。拝観無料。11月17日まで。16日10時~12時には住職を交えた座談会を開催する。参加費は500円。