「大相撲高松場所」が12月13日、「あなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)」(高松市サンポート)で開催された。
高松での地方巡業は昨年10月に高松市総合体育館(福岡町4)で開かれて以来、1年2カ月ぶり。今回は約8500人の観客が来場し、横綱・豊昇龍関や大関陣をはじめとする幕内力士ら約200人が集結した。
主催者を代表して穴吹エンタテインメント(古新町)の野田勉社長が「今年2月の当施設開業以来、最大の動員数となった。単なるスポーツイベントではなく、世代を超えた交流ができる大会。地元に誇りを持てる大会になる」とあいさつ。香川県の池田豊人知事も「本物の大相撲がアリーナで見られるぜいたくな1日。会場にこれだけ多くの人が来て驚いている。力士の皆さんにたくさんの笑顔を運んでもらった」と話した。
当日は9時の開場とともに多くの相撲ファンが詰めかけた。公開稽古の後の子どもたちを招いた「こども相撲」では力士や観客から声援が送られ、会場は温かい雰囲気に包まれた。「相撲甚句」では、高松出身の作家・菊池寛の戯曲「父帰る」を歌詞に入れた同地ならではの歌が披露された。「初っ切り」の場面では相撲の禁じ手やルールなどがコミカルに紹介された。
取組では、1番に地元・高松市出身の大喜翔が登場。立ち合いから激しく攻め立て、大青山関を「突き出し」で下して勝利。地元出身力士の白星に会場から喝采(かっさい)が送られた。
幕内取組では、一山本関対阿炎関、熱海富士関対正代関などの好取組が続いた。九州場所で優勝した関脇・安青錦関も出場。締めの一番では土俵際の攻防の末、大関・琴桜関が横綱・豊昇龍関を「上手出し投げ」で下し、会場は大いに沸いた。
一山本関のファンだという宮崎県から訪れた中学2年、山岡悠真さんは「初めての高松。いろいろな場所に行っているが、新しくできた場所できれいだし、広い。2階席だがモニターもあって見やすい。一山本関の多彩な技が見られるのが楽しみ」と話していた。