アニメーション美術監督の故・山本二三(にぞう)さんの足跡をたどる展覧会「アニメーション美術の創造者 新・山本二三展」が現在、高松市美術館(高松市紺屋町)で開催されている。
「冒険」のコーナー オブジェに貼られたアニメ「ルパン3世」の原画が目を引く
長崎県五島市出身の山本さんは、24歳でテレビアニメ「未来少年コナン」の美術監督に抜てきされて以来、スタジオジブリ作品をはじめ、多くのアニメーション映画で背景美術を手がけてきた。同展では、「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」「時をかける少女」などの背景画を中心に、山本さん直筆の背景画やスケッチ、イメージボードなど約220点を展示する。
会場では、「冒険」「日常」「雲」「森や自然」「郷里」の5テーマに分けて作品を紹介する。「二三雲」とも呼ばれる力強く湧き上がるような雲の描写や、緻密に描き込まれた街並みなど、物語の世界観を支える背景美術の技法を見ることができる。
2011(平成23)年の東日本大震災後に被災した陸前高田の松を描いた絵本「希望の木」や、2010(平成22)年にアニメーション美術監督を退いた後、10年をかけて制作した故郷の風景を描く「五島百景」など、アニメーション以外の仕事も紹介する。
同館学芸員の毛利直子さんは「山本さんは『背景はそこにあるもので、目立ちすぎてはいけないが、同時に作品の空気感をつくる重要なもの』という考えを哲学として持っていた。ファンタジーの世界や現実的な風景も緻密に描かれている。作品の世界を追体験してほしい」と話す。
毛利さんは「背景画を見て『この絵はあの場面の背景だ』と話す来館者も多い。展示は子どもにも見やすいよう、通常より低い位置に設置しているので、親子でも楽しんでもらえたら」とも。
開催時間は9時30分~17時(金曜・土曜は19時まで)。月曜休館(2月23日は開館、翌24日は休館)。観覧料は、一般=1,200円、大学生=600円、高校生以下無料。3月22日まで。



