高松在住の書道アーティスト・郷祥(ごうしょう)さんが11月4日~6日、直島で個展を開く。
郷祥さんは高松出身で、現在も高松在住の書道アーティスト。5歳で書道を始め、2011(平成23)年、電力会社社員として勤務しながら師範免許を取得。国内外で活動するとともに、今年はマネやモネ、セザンヌなども輩出した1648年から続く世界最古の公募展「ル・サロン」への入選や、フランス美術界の登竜門とされる「サロン・ド・アール・ジャポネ2022」のグランプリ受賞も果たした。
今回の個展は、かつて「よろずや」という名で民宿とギャラリーを経営していた廃屋のギャラリーと中庭を使って行い、世界の主要言語で「平和」と書いたタペストリーや、オリジナルの墨汁を使った「墨跡画」に金や銀の色を使った作品を展示する。
今回の個展について、郷祥さんは「個展のテーマは『平和を思う』。ウクライナ侵攻が今なお続くが、日本ではどこか『対岸の火事』感が漂っているように思える。安倍元首相の暗殺事件もいつのまにか旧統一教会の問題がメインとなり、論点がずれていると感じる。タペストリー作品は今の日本人の認識『表面上の平和』を、『墨跡画』は金色や銀色の目立つ色の向こうに黒色を配置し、現実の出来事の向こうで、こちらにはなかなか届かない戦争に対する怒りや悲しみ、その中でもなおはい上がろうとする希望などを表現した」と話す。
制作について、「コンセプトをしっかりと考え、作品の説得力を常に意識するとともに、描く際は極力自分の欲を捨てて、筆に身を委ね、『墨の意思』を最大限尊重することを心がけている。自分の作品で和の精神性や墨の奥深さを伝えていきたい。東洋の芸術である書が西洋美術史の文脈に揺るぎないものとして組み込まれれば」と意気込む。
開場時間は12時~16時。入場無料。