パリ五輪・レスリング男子グレコローマンスタイル77キロ級で金メダルを獲得した高松出身の日下尚選手が9月16日、凱旋(がいせん)パレードを行った。
パレードには日下選手のほか、父の省二さん、母の晃子さん、高校時代の恩師である竹下敬さん、日下選手後援会の大山一郎会長が参加した。パレード前後には出発式・解散式を開き、池田豊人香川県知事や大西秀人高松市長、高松市中央商店街振興組合連合会の古川康造理事長も出席した。出発式では、日下選手の金メダル授与を機に新たに設立された「うどん県観光大使」の委嘱状を池田知事が手渡す場面もあった。
日下選手らを乗せた車は高松丸亀町壱番街前ドーム広場(高松市丸亀町)を出発し、高松南部3町ドーム広場(南新町)までの850メートルを1時間かけて走行した。日下選手の姿を見ようと商店街には2万人が駆け付け、沿道から祝福の声が飛び交った。祝福のメッセージを書いた横断幕や日下選手の顔を大きくプリントしたパネルを持った参加者の姿も見受けられた。
パレードを終え、日下選手は「最高に楽しい850メートルだった。多くの方が来たのを見て金メダルがこんなに価値があるものだと感じた。沿道からかけられた声援は励みになるものだし、オリンピック競技中の苦しい時も声援に背中を押してもらった」と話す。
「うどん県観光大使」任命について「自分でいいか分からないが任命していただいたのは光栄なこと。香川県のPRもしていきたい。香川県のみんなと一緒になって香川を盛り上げていければ」とも。
日下選手の顔を大きくプリントしたパネルを持ってスタート地点からパレードの車を追いかけた香川中央高校レスリング部2年の原田爽生(そう)さんは「顔があると目立つし、見えた時にうれしいのではと思って部員のみんなで作った。日下選手を生で見るのは初めてだったが迫力があって握手した時もがっちりしていた。最後に記念撮影もできて一生の思い出になった。レスリングの練習も一層励みたい」と話していた。