高松市上福岡町の中華ファミリーレストラン「すけろく上福岡店」が10月31日、33年にわたる営業を終えた。
1992(平成4)年にオープンした同店は、愛媛県を中心に四国で展開する「ファミリーレストランすけろく」の香川県内唯一の店舗だった。手頃な価格で中華料理や定食、甘味を提供し、家族連れや学生、会社員など幅広い層に親しまれてきた。今回の閉店により、同社の香川県内店舗はすべて姿を消すことになる。運営する「助六食品工業」(松山市)は、閉店の理由について「諸般の事情」としている。
長年地域に愛された店舗の閉店に、多くの客から惜しむ声が上がった。SNS上では「子どものころから家族で通った思い出の場所」「ここの天津飯が大好きだった」「学生時代のたまり場だった。さびしくなる」など、思い出を語る投稿が相次いだ。
閉店前には連日行列ができ、最終営業日の31日も多くの客が最後の味を楽しもうと訪れた。18時40分の時点で44組、約50人が順番を待つ盛況ぶりを見せた。この日、両親と来店した高松市の松本航季さんは「店にはたまに寄っておりさぬき高松まつりの花火大会の後に訪れたことが印象に残っている。生まれる前からある店がなくなるのはさびしい」と話していた。