香川県立農業経営高校の生徒が2月20日、「仏生山の森」(高松市仏生山町甲)内のレストラン「窯焼きバーグ五十八」で、入院中の子どもの付き添い家族に向けた「付き添い応援ランチ」の調理を行った。
「仏生山の森」支配人の中條さん(右から2人目)の指導を受けながら調理する高校生たち
同校はこれまで、地域と連携した「農福連携プロジェクト」の一環として社会福祉法人「ナザレの村」(春日町)と協働でメニュー開発などを行ってきた。活動を通じ、「障害者だけでなく、日々の生活で悩みを抱えている人が他にもいるのではないか」と考えた末、入院している子どもの付き添い家族が抱える食の課題に着目したという。
同校によると、多くの病院では付き添い家族に食事が提供されず、コンビニエンスストアなどで調達するため栄養が偏りがちになるほか、精神的・経済的負担から自身の食事を切り詰める現状があるという。同校では、校内で栽培した野菜を活用して「食」で支援できないかと模索する中、「仏生山の森」と連携して食事支援を行う任意団体「お接待ミール all in Kagawa」の存在を知り、今回の企画を立ち上げた。
この日は、農業生産科2年の生徒3人が参加。生徒たちはこれまで、ランチメニューやパッケージデザインの考案、オリジナルキャラクター「ノウフくん」や食材紹介カードの作成などにも携わってきた。
調理室では、同店支配人の中條賢治さんと共に、生徒たちが育てたアスパラガス「さぬきのめざめ」やトマト、同校で生産した卵や豚肉などの食材を使って「とれたてアスパラの元気弁当」を調理。3人は中條さんの指示を仰ぎながら野菜を切ったり、フライパンで炒めたりして、調理から箱詰めまでを行った。弁当には疲労回復を願い、収穫した際に出たアスパラの切れ端を焙煎(ばいせん)したアスパラ茶と、生徒たちが育てたイチゴ「よつぼし」を使ったブランマンジェを添えた。
調理に参加した川村椛恋(かれん)さんは「付き添い家族は栄養が不足しがちと聞いたので、献立は五大栄養素や色合いなどを意識して作った。見た目も味もおいしく楽しく食べてもらえたら」と話す。岡林萌生華(めいか)さんは「普段調理をしないので緊張したが、中條さんがサポートしてくれて上手に作ることができた。頑張って作ったので喜んでもらえたら」と笑顔を見せる。田村結衣さんは「立春も迎えたので春らしいメニューにしようと考え、企画してきたものが実際の形になってうれしい。アスパラガスは疲労回復効果があるのでおいしく食べてもらいつつ、疲れも癒やしてもらえたら」と話す。
完成した弁当は同日、任意団体「お接待ミール all in Kagawa」協力の下、香川大学医学部附属病院(三木町)に届け、付き添い家族に無償提供した。