高松市中央卸売市場の旧青果棟に5月3日オープンした「市場水族館」(高松市瀬戸内町)。現在、リニューアル準備中の屋島山上の「新屋島水族館」(屋島東町)の休館中の動物たちの仮住まいとして営業しています。
同館のオープンから1カ月。今回は香川の元アイドルnachiko.(なちこ)さんと香川県の情報発信サイト「ガーカガワ」の記者さんと共に回って紹介します。
オープン時の記事
ペンギンもカワウソも「お引越し」 高松市中央卸売市場に「市場水族館」
https://takamatsu.keizai.biz/headline/1154/
施設面積は1200平方メートル。30の水槽を設置し、100種1000匹以上の生き物が展示されています。
こちらの水槽で目の前を通り過ぎて行くのは膨らんだ頭部が特徴のコブダイ。瀬戸内海北海道~九州南岸の太平洋沿岸、北海道~九州西岸の日本海・東シナ海沿岸にも広く生息する魚です。
背中にはコバンザメが。クジラやサメなどにくっつくコバンザメ。名前にサメとついていますが、実はマダイやスズキの仲間です。
砂地から顔をのぞかせる様子が人気のチンアナゴ。日本では高知県から琉球諸島にかけて温かい海に生息しています。名前の「チン」は犬種の「チン」に似ていることに由来しています。ニョロニョロと穴から体を伸び上がらせる姿が印象的ですが、今日は少し控えめ。
ガーカガワの記者さんも写真に収めようと待ち伏せしましたがなかなか出て来ず。次は元気に伸びる姿を見せてね。
今月4日には地元の漁師が捕まえたというシロザメが水族館に仲間入りしました。細い体でスイスイと泳いでいきます。
赤ちゃんザメも小さな体を懸命にくねらせて泳いでいました。
フカヒレや練り物の原料などに使われるというシロザメ。人に危害を加えることはないそうですが、素早く泳ぐ姿は紛れもなく海のハンター。カメラに収めるのはなかなか大変でした。
ドーム形の水槽はさまざまな方向から生き物を見ることができます。時には生き物たちが不思議な光景を織りなすこともあります。こちらではナマコとイトマキヒトデ、小さなエビが水槽の壁面の1カ所に密集していました。
後から調べると、イトマキヒトデはナマコを捕食することもあるとのこと。のんびりして見えますが、捕食しているところなのか、もしくは仲良しなのか、なぜこんなに密集しているのか謎は深まるばかり。
言葉を話さない生き物の姿から想像してみるのも面白いですね。
続いてやって来たのはアカウミガメのプール。世界中の海に広く分布し、日本でも目撃されるアカウミガメですが、近年は数が減り絶滅危惧種にも指定されています。そんなアカウミガメですが、しゃがんで見ているとこちらに向かって泳いできました。
伸ばしてきたヒレとハイタッチ!目も合わせてくれました。
このプールは上からも見られるようになっており、甲羅の模様までじっくり見られます。波に揺られて水面をゆったり泳ぐ姿は見ていると癒やされます。
ウミガメの次はリクガメの水槽へ。水槽の中をのしのしと歩いています。
見ているとこちらにやって来ました。片足を上げてあいさつしてくれたのかな? その後もカメラを構えていると、ずんずんと勢いよく寄って来ました。
次は同館のロゴにもなっているフンボルトペンギンのプールへ。
南米の太平洋沿岸に生息するフンボルトペンギン。日本の気候下でも飼育が可能で、国内の水族館や動物園で一番多く飼育されているペンギンだそうです。それでも市場内の建物でペンギンを見られるのは驚きです。
このプールでは2メートルほどの至近距離でペンギンを見られるようになっています。
ペンギンに手を振ってみましたが無反応。こちらには見向きもせずじっと宙を見つめたり、寝そべったまま動かなかったりと思い思いの姿を見せていました。人間もたまにはこれくらいずぶとく生きていいのかもしれません。
ペンギンプールの隣にあるのがコツメカワウソの水槽。実は最初に見たのがカワウソの水槽だったのですが、丸くなって眠っていました。
あっちでスヤスヤ、こっちでもスヤスヤ。
2年前の12月に屋島山上で見た時は元気に走り回ったり、来場者とタッチしたりと元気で愛くるしい姿を見せてくれたカワウソたち。一体、どうしたのでしょう。
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その後、水族館を一回りして戻るとそこには元気に飛び跳ねるカワウソたちの姿が。
渡り通路を駆ける様子も見せてくれました。最初見た時はきっとお昼時で眠かったのですね。
時間やタイミングによって動物たちのさまざまな姿が見られるのが水族館の面白さでもあります。一度見た水槽も再度見るとまた違った生き物たちの姿が見られるかもしれません。
この水族館では体験コーナーもあります。金魚の餌やり体験ではカプセルに入った餌(100円)をやることができます。
餌を食べようとする金魚の群がり具合は圧巻。水槽の外に乗り上げそうなくらいの勢いでわれもわれもと餌を求めます。
あまりの勢いに水しぶきも上がります。
親子で金魚に餌をやる家族の姿も見られました。
現在、生き物との触れ合い体験は金魚の餌やりだけですが、水族館スタッフによれば、生き物の様子を見ながら、今後、他の生き物との触れ合いも増やしていきたいとのこと。
今回は生き物の紹介を交えながら水族館のことを紹介しましたが、貝殻やシーグラスを掘り当てる砂場コーナーやさまざまなグッズもあるので、近くの「うみまち商店街」と併せて親子で楽しめるスポットとして良さそうです。
今回取材に同行してくれたnachiko.さんにも感想を聞いてみました。
「広すぎず狭すぎず、全てゆっくり見ることができて充実した時を過ごすことができました。特に金魚は想像以上の数がいて、餌を持っていなくてもすごい勢いで近づいてきてびっくりしました。実は金魚に愛着が湧いて、取材後も2回、餌やりに課金してしまいました。プライベートでもまた行きます」
動物たちとの距離感が近い屋内水族館の市場水族館。今後もさまざまな展開がありそうです。新屋島水族館のリニューアルが完成するまでの生き物たちの仮住まいなので、この機会に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
モデル=nachiko.
共同取材=ガーカガワ編集部