漆芸工房「さぬきうるしSinra(シンラ)」(綾川町)による展示会が現在、高松・北浜アリー(高松市北浜町)内の「デザインラボラトリー蒼(あお)」「kitahama blue stories(キタハマブルーストーリーズ、TEL 087-823-5220)」で開かれている。
デザインラボラトリー蒼で開く作品展「うるしあそび」では同工房代表の松本光太さんをはじめ、土田百合香さん、はやしくらさんの3人の作品や工具、サンプル品などが並ぶ。キタハマブルーストーリーズでは「暮らしにうつろう器たち」と題し、漆芸で作った食器や箸などの日用品を販売する。
展示について松本さんは「工房をそのまま再現しようと工具やアトリエに眠っていたサンプルのほか、実際に使っているストーブなども会場に展示した」と話す。
2021年から毎年開いてきた同展だが、「コロナ禍が明け、百貨店などで催事が開かれるようになったほか、ミーティングも対面で行うことが増え、アトリエにこもる時間も減ってきたので、いったん休みにする」という。
香川の漆芸職人やギター職人、音楽家がコラボして作る香川漆芸の技法を使った漆ギターシリーズ「Snoto(サノート)」の新作「Kurozuri(クロズリ)」も会場に並ぶ。ギター職人の多田康宏さんは「目指したのは1950~60年代のビンテージギターの音色。その年代のギターは年月とともにニスが薄くなっており、独特の柔らかい響きが生まれる。漆は通常ギターに使われる塗料よりも薄く塗装できるので、その響きに近いものができる。今回は木目を目立たせるためにべっ甲柄のピックガードを片側に寄せて配置した。作り始めて3年になるが作るたびに勝手も分かり、よりなじむ物を作れている。今後、音楽イベントへの出展も予定しているので多くの人に見てもらえれば」と話す。
営業時間は11時~18時。デザインラボラトリー蒼は土曜・日曜・祝日のみ営業、キタハマブルーストーリーズは火曜定休。1月27日まで。