女木島(めぎじま)に一棟貸しの宿泊施設「龍潜荘 別館 金波」(高松市女木町)がオープンして1カ月がたつ。
1936(昭和11)年に店主の久米慶子さんの曽祖父が別荘として建てた邸宅を改装した同施設。2019年にそうめん店としてオープンした。
久米さんによると、同所で宿泊施設を開くことは当初からの目標だったという。「目の前に海が見えるこの場所はかつて、別荘のほか、保養所や海の家、瀬戸内国際芸術祭の作品展示などにも使われてきたが、次第に廃れていった。子どものころ遊びに来た時に装飾や建物のかわいらしさが印象に残っており、いつかこの場所を高松だけでなく海外の人にも楽しんでもらえる場所にしたいと思っていた」と振り返る。
2019年に香川にUターンした久米さんは「宿泊施設を始めたいと同所を管理する企業に訴えたが、実績がないことを理由に反対を受けた。その時に香川の物を使った店を始めるということで思いついたのがそうめん店だった。うどんに並んでそうめんも香川県の特産品。そうめんを中心として香川県の良い物をアピールしたいと思い出店した」と話す。そうめん店を始めた初年度から「ここで泊まれないか」との声が多くあったという。
宿泊施設は延べ床面積約100平方メートル。8畳の宿泊部屋3部屋に、キッチンやシャワーを備える。1日1組、最大6人までの宿泊に対応する。管理の面から12歳以下の子どもの利用はできない。朝食と夕食の用意はないが、希望者には有料でバーベキューコンロの貸し出しや食材を用意する。
久米さんは「夕暮れになると目の前の海が夕日でピンクに染まる。女木島のフェリーは17時20分に高松に向けて最終便が出るので夕暮れの光景は島に泊まる人だけが見られる。不便なところもあるが、砂浜や瀬戸内海、屋島や五剣山が一望でき、景色は絶好。昔ながらの邸宅での非日常を味わってほしい。島の良さ、香川の良さを発信する場所になれば」と話す。
宿泊予約(宿泊希望日5日前までに要予約)はeメールで受け付ける。今季営業は10月31日まで。