香川大学起業部の学生らが事業の構想やビジョンなどを発表する事業プラン発表会が7月21日、同大学イノベーション研究所(高松市番町)で開かれた。
イノベーション実現のために起業家の育成支援を目的として2019年に発足した起業部。産学連携・知的財産センター長の永冨太一教授が顧問を務め、学生主体で勉強会や経営者との交流会を開くなど活動してきた。
6月に始まった「ビジョナリープラン策定3STEP講座」のまとめとして行われた今回の発表会。10人の学生たちが価値観など自分の内面を深掘りする50個の質問に回答し、出てきた答えに基づいて作成したマインドマップから2週間の行動を策定。そこから気付いたことなどを基に自分のしたいこと・やるべきこと、なりたい姿、事業の指針などの「ビジョナリープラン」をプレゼン形式で発表した。発表を終えた後は他の参加者たちが付箋に応援のメッセージを書いた。
講師を務めた「AOTEN(アオテン)コンサルティング」(岐阜県多治見市)代表の吉田淑恵さんは「起業部に所属する学生たちの中には実際に事業を立ち上げている学生もいるが、『単価が上げられない』『営業先に思いが伝えられない』などの悩みが寄せられた。自分の内面を見つめ直し、自分や事業のストーリー作りを目的に今回の講座を行った。ビジョンや指針はどんどん変化していくものなので今後も年1回この時期に行いたい」と話す。
講座に参加した3年生の吉本幸未さんは「自分はやりたい事業がないので生き方のプランを考えた。現在就活しており、自分のやりたいことや軸とすることを再確認する機会になった。やりたいことを明確に発表する他のメンバーを見て良い刺激を受けた」と話す。
発表を終え、永冨教授は「学生たちとご飯を食べながら雑談程度でやりたいことなどを聞くことはあったが、今回の発表では皆さんの考えをじっくり聞くことができ、一人一人のポテンシャルを感じられた。特に1年生の考えを知る良い機会になった。今後も一人一人がやりたいことやなりたい姿を思い描き、実現できる団体でありたい」と意気込む。