書道家・武田双雲さんの作品展「感謝-compassion-」が10月9日、高松三越(高松市内町)で始まった。
武田さんが同店で作品展を開くのは3回目。墨ではなく越前和紙で文字を書いた作品や、青をモチーフに藍染めの和紙や墨職人・伊藤亀堂さんが手がけた「青墨」を使った作品、絵の具も使い絵画のように描いた作品など約100点を展示する。
今回初めての企画としてライブパフォーマンスを行う。初日は丸亀町壱番街前ドーム広場(丸亀町)で武田さんが30号のキャンバスに「感謝」の文字を揮ごう。トークイベントも開き、会場には100人ほどが集まった。
会場を訪れた50代の女性は「松山から来た。昨年の松山三越での展示は4、5回見に行った。きれいに描かれているだけでなく思いが伝わるのが武田さんの作品の魅力。武田さんの作品は文字としてだけでなく絵画のようにアート的なところが好きで、見ていて気持ちが穏やかになる」と話していた。
武田さんは「生きている中で私たちはあふれんばかりの情報に接する。そんな中で目が見えるようになったばかりの赤ん坊が自分の手を見て驚き喜ぶように純粋に楽しんでほしい。物事は触れて知っていく中でどんどん新鮮味を失っていく。その新鮮さを保つために必要なのが『感謝』だと思う。感謝という言葉は良い言葉だし何度も書いてきたが、その度に難しさを感じる言葉でもある。今回は感謝について改めて考える機会にしたいと思い、展示名にも付けた」と話す。
開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。10月21日まで。ライブペインティングは13日と18日にも開催。9日~14日、18日、21日は武田さんが在廊し作品解説を行う。