リトアニア共和国のオーレリウス・ジーカス特命全権大使が11月21日、香川県立高松高校で講演を行った。
2022年から同校が取り組んでいる「人道プログラム」の一環。第二次世界大戦時、リトアニア・カウナスでオランダの日本領事館領事代理を務め数千人のユダヤ人難民に越境ビザを発行した外交官・杉原千畝(ちうね)の妻・幸子さんが同校の卒業生であることから、同校ではこれまで、生徒が「杉原千畝・幸子氏から広がる人道の輪~高校生同士の交流が世界へと繋がる」をテーマに、リトアニア大使館訪問や、愛知県知事、神戸・沼津市長訪問、岐阜県の杉原千畝記念館訪問、「人道の港 敦賀ムゼウム」(福井県敦賀市)訪問などの研修を行ってきた。プログラム実施最終年度の今年は、実地研修として同校の代表生徒5人がリトアニア・ポーランドを訪れた。
この日は、代表生徒5人がリトアニアやポーランドを訪れた時のことを動画やスライドで発表した後、ジーカス大使が登壇し、リトアニアの歴史や文化、地理などについて英語で講演を行った。講演後は生徒による質疑応答の時間が設けられ、リトアニアの国旗の色の意味や、リトアニア風ホワイトソースハンバーグを提供し10月にジーカス大使が一日店長を務めたフードチェーン店「松屋」についても質問があった。講演会の最後には、リトアニアに逃れてきたウクライナ難民支援のために同校生徒たちが集めた寄付金を大使に手渡した。
「日本でお気に入りの場所はどこか」という質問に「高松」と答えて会場を沸かせたジーカス大使は「高松は初めて来たが、雰囲気の良さや気候の良さが気に入った」と笑顔を見せ、講演では「ロシアのウクライナ侵攻によって国際情勢は複雑になってきている。侵攻が始まった時からリトアニアもウクライナに支援しているが、日本も同様に支援していることをありがたいと感じている」と締めくくった。