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高松で香川独自タクシーアプリ「香川Taxi」始動 地元会社の課題解決へ期待

(左から)高松市都市整備局課長・吉峰秀樹さん、高松タクシー協会運送委員長・寺師大祐さん、高松タクシー協会会長・川崎武文さん、「電脳交通」社長・近藤洋祐さん

(左から)高松市都市整備局課長・吉峰秀樹さん、高松タクシー協会運送委員長・寺師大祐さん、高松タクシー協会会長・川崎武文さん、「電脳交通」社長・近藤洋祐さん

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 香川県独自のタクシーアプリ「香川Taxi(タクシー)」が4月15日、高松で本格運用を始めた。

あいさつする川崎さん

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 「香川県タクシー協同組合」が「電脳交通」(徳島市)と提携して配信する同アプリ。氏名と電話番号を登録すると、加盟する高松市内の事業者の約250台の中から乗車地に近いタクシーを呼ぶことができる。乗車地・降車地は住所の入力やスマホの画面上に表示された地図のピンを動かして指定する。

 同アプリは利用者の利便性の向上のほか、地域のタクシー事業者が抱える「非効率な配車と機会損失」「ドライバー不足と高齢化」「IT・デジタル化の遅れ」の解消を目的とする。高松市とも連携し、収集したデータをタクシーを活用した交通網の形成などに役立てるという。高松で導入を始め、今後は高松市外の導入も目標にしている。

 同日、「香川ハイタク会館」(高松市朝日町5)で説明会が開かれた。高松タクシー協会会長の川崎武文さんは「今年は高松に香川県立アリーナができるとともに瀬戸内国際芸術祭、大阪万博など多くの観光客が来ることが見込まれる。その中で地元の方の足を守るためにもこのアプリを育てていければ」とあいさつした。

 アプリ導入の背景について同協会運送委員長の寺師大祐さんは「近年では全国展開のプラットフォームアプリを多くの方が利用しているが、地元の方が必要とする時にタクシーを呼べない問題も発生している。プラットフォームアプリは売り上げやマッチングに応じて手数料が発生する一方、当アプリの導入は保有台数を基にした固定費にしているためタクシー事業者に利益が残りやすい。地元の方に必要なタクシー交通の確保とともに地元タクシー会社を守るためにもアプリの導入を広げていければ」と話す。

 「電脳交通」社長の近藤洋祐さんは「高松は合同で燃料事業部を設置したりチケットサービスを導入したりするなどタクシー会社同士で交流があり、アプリ導入には非常に良い環境。これまで地域タクシー会社は受注の7割が電話でこの状況は100年近く変わっていなかった。コロナ禍が明け、インバウンドや観光客など地域外からの利用者も増えてきている中で当アプリがタクシー業者の負担を減らし、利用者も事業者も快適に使ってもらえるものとなれば」と話す。

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