塩江の木を使ったクラフトビールと、イノシシや地元野菜を使った料理を提供するイベント「塩江オクトーバーフェスト」が11月22日、旧上西小学校(高松市塩江町上西乙)で開催された。
醸造所のビールたるを馬車で運ぶパレードを林業用運搬機で模したオープニング 乗っているのは塩江に移住しカフェを営む小笠原フェリックスさん、みどりさん家族
塩江温泉観光協会と地域の森林資源活用に取り組む一般社団法人「トピカ」が若手メンバーを中心に企画。塩江の森で育ったコナラ、ノグルミ、ヤマザクラの木材チップをビールに漬け込み香り付けした3種類のオリジナルクラフトビールのほか、猟師が捕獲したイノシシの丸焼きやイノシシ肉のソーセージ、地元野菜を使った料理やスープなどを提供した。
オープニングでは、本場ドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェストのパレードを模し、飾り付けされた林業用運搬機が入場。塩江に移住しカフェ「neko to negi」(同町)を営む小笠原フェリックスさんの乾杯の発声でイベントが幕を開けた。参加者はビールと料理を味わい、たき火を囲んで語らいを楽しんだ。同町で湧く温泉を使った足湯も用意され、来場者をもてなした。
ビール醸造を手がけた「潮風ブルーラボ」(千葉県)のクリス・プールさんは、昨年から始まったビール醸造プロジェクトについて「木ごとに全く異なる香りが出て、とても楽しい試みだった。まだ挑戦したいビールがある」と話す。
町の面積の約84%を占める森林の新たな活用法を探るとともに、塩江の関係人口を増やすことを目的にスタートした今回の取り組み。トピカ代表理事の村山淳さんは「予想以上に多くの方が参加してくれてうれしい。普段塩江に縁のない層も訪れてくれた。ビールを味わうことで、塩江の森が持つ多様な機能や可能性、そして知られざる魅力を感じてもらえれば」と話す。「今後も継続して恒例企画にしたい。塩江の山奥だと来場のハードルを感じる人も多いので、市街地でも開催してみたい」とも。