
さぬき市津田町を舞台にした映画「潮待ち模様~初恋のゆくえ~」が2月8日、レクザムホール(高松市玉藻町)で初上映された。
同日スタートした「さぬき映画祭2025」のオープニング作品として上映された同作品。2023年に同映画祭のシナリオコンクールで大賞を受賞した同作品を香川県の補助などを受けて映像化した。監督・脚本は津田町出身で元俳優の三好冬馬さんが手がける。海沿いのまち・津田町を舞台に、年老いた漁師と彼が70年以上にわたり思いを寄せてきた水産会社の女性会長の恋と、コロナ禍で会社が倒産し津田町に流れ着いた青年と技能実習生のインドネシア人女性との出会い・交流を描く。作品は60分と90分のバージョンとがあり、今回は60分バージョンが上映された。
上映後は三好さんのほか、出演した公庄庸三さん、安富美智代さん、國方風里さん、メティシャさん、子役が登壇。撮影の裏話などについてトークショーを展開した。登壇したメイン俳優は全員が香川在住で演技は未経験という。作中で漁師を演じた公庄さんは京都からさぬき市に移住した元数学教師。作品について「知人から出演者募集の話を聞き、一度やってみようと応募した。今回の役は自分と正反対で寡黙であり、役作りは未経験ながら力を入れた。撮影は深夜1時や日の出前の早朝にスタートすることもあり大変なことも多かったが、出来上がった作品を今日初めて見て、想像以上のできになっていたのがうれしかった」と話す。
三好さんは「ゆったりとした展開の中に漁師の後継者不足や多様性、家族の在り方など、さまざまな要素をストーリーに織り込んだ。自分が生まれ育った津田のまちが舞台だが、地元に住む人はその魅力に気づきにくい。この作品がその良さを再発見できるきっかけになれば」と話す。
今後については「3月に津田の公民館で地元住人に向けて90分バージョンの上映会を行うとともに、メティシャさんの故郷、インドネシアでも上映会を開く。ゆくゆくは全国47都道府県で上映会を行いたい。今回の映画制作はクラウドファンディングや地元の方の支えがあってできた。このモデルを全国で展開して映画を使った町おこしも展開できれば」とも。