「さぬき映画祭2026」が2月7日・8日の2日間、レクザムホール(高松市玉藻町)などで開催された。7日のオープニングでは、東かがわ市を舞台にした映画「ワタシ、発酵します!」が上映され、多くの映画ファンが詰めかけた。
同作は、東かがわ市の老舗しょうゆ蔵「かめびし屋」を舞台に、人生の壁に直面した女性たちが発酵文化を通じて成長していく物語。撮影は同蔵で行われ、全国で唯一継承されている伝統技法「むしろ麹(こうじ)製法」を劇中で紹介している。
上映後のトークショーには、脚本・監督の松田恒代さんのほか、ダブル主演の中村樹里さんと田中菜月さん、キャストのウィリアム・アラスター・ロバートソンさんらが登壇。制作の裏話や作品に込めた思いを語った。
同映画祭のシナリオコンクール大賞受賞から2年を経て完成させた松田監督は、脚本執筆中の妊娠・出産や移住といった環境の変化を振り返り、「多くのプロの力を借りて完成できた。子育てをしながら形にできたことは大きい。これから国内外のさまざまな場所で上映し、作品をさらに『発酵』させていきたい」と、感無量の面持ちで語った。
映画初出演となった中村さんは「ウェブの募集を見た際、これは自分のことかもしれないと感じた。演じた役は自分とは異なる性格で苦労したが、大スクリーンに映る自分を見て物語に吸い込まれるような不思議な感覚を覚えた」と笑顔を見せる。
私生活でも発酵に携わる田中さんは「発酵との出合いで人生が変わった。日常には酵母菌のように目に見えなくても大切な役割を果たすものがある。この映画も見る人の心の片隅に残るものになれば」と話す。
総合プロデューサーの村上モリロウさんは、制作体制の変更を経て松田監督へ依頼した経緯を明かし、「松田監督やキャストの熱意により、素晴らしい作品に仕上がった。東かがわ市の魅力を伝えると同時に、食や発酵について考えさせるきっかけになれば」と期待を寄せる。