「ことでん」こと高松琴平電気鉄道が4月19日、琴平線でウクライナ国旗のカラーにラッピングした車両の運行を始めた。
ロシア軍の侵攻が続くウクライナ。戦火の中でも国営の鉄道会社は運行を続け、これまでに300万人もの避難民を安全な地域に運ぶとともに、国内に医薬品や食料などの生活必需品を運び続けているという。
今回の企画は、そうした同国の鉄道事業従事者への連帯を示すため、若手社員の発案から始まった。
元々白と黄色にカラーリングされた車両が走る琴平線。本企画では同線を走る1200型電車の車体上側を青く塗装し、ウクライナ国旗のカラーである青色と黄色にラッピングした車両を運行する。併せて、同国の鉄道事業従事者への敬意や連帯の意、世界平和を祈る思いを込め、車体に「We stand with you.」「To the Ukrainian railway operators working to protect people’s lives」「We wish for world peace.」の3つのメッセージをプリントする。
このほか、高松築港駅、片原町駅、瓦町駅、仏生山駅の改札口付近に募金箱を設置すると共に、5月3日からは同車両をデザインしたステッカーを販売。集まった寄付金や売り上げの全額を同国大使館に寄付する。
同社地域開発本部の今井恭子さんは「ロゴやマスコットキャラクター『ことちゃん』に使われているように、当社のコーポレートカラーは青。そして、黄色のラインが入った車両が運行している。同国の国旗にも使われるこの2色を私たちも使っていることに縁を感じた」と話す。
「戦闘に巻き込まれ殉職した職員もいると聞く。元々は私たちと同じように日常の平和な風景の中、鉄道を走らせていたはずの彼ら。しかし、その日常が奪われ、死の恐怖と戦いながら、命に代えても人々を守ろうと鉄道を走らせている。ニュースを聞く度に胸が張り裂けそうになる。少しでも彼らの力になれれば」とも。
車両の運行と募金箱の設置は今年11月中旬までを予定。