絵本も楽しめるレンタルスペース「絵本文庫ふみくら」(高松市塩上町3)が7月9日、オープンから半年を迎える。
店内には約300冊の絵本の他、「古くて良いものを楽しんでほしい」と蓄音機をはじめとするアンティーク家具も並ぶ。
店主の平池佳奈枝さんは社会福祉士としても活動。絵本が好きなことに加え、社会福祉士としての経験も開店のきっかけになったと言う。「ボランティアが施設で読み聞かせをして、年配の方が聞き入っているのを見たとき、絵本は年齢を問わず心地よさを感じるものだと感じた。親子の関係がうまくいっていない家庭を仕事でいくつも見てきて、何か心の架け橋になるようなものをと考えた時に浮かんだのが絵本だった」と話す。
オープンについて、「絵本を集めて退職後、誰でも絵本を楽しめる場所を開きたいと考えていたが、昨年8月に友人と半ば冗談で不動産店巡りをすることになって、この場所を見つけた。内観がすてきだったことと長く憧れていた庭が付いていることに運命を感じ、思い切って昨年10月から借り、今年1月にオープンした」と振り返る。
営業時は絵本を楽しめる他、保育士が童謡について教える「わらべうたの手習い」や「大人への読み聞かせ会」などのイベントも行う。
「世代を問わず、絵本を通じてみんなが、居心地が良いと思える場所を作りたい」という平池さん。「先日、友人が3歳になる子どもを連れてきたので仕掛け絵本を見せて一緒に楽しんでいた時に、年配のお客さまが『僕にも見せて』と声を掛けて、絵本のやり取りをすることがあった。絵本を通じて新たな関係が生まれるのを見て、これが自分のやりたかったことだととてもうれしかった」と笑顔を見せる。
「みんな心の中に残っている絵本や物語があると思うので、ぜひ心の中の一冊や新たな絵本との出合いをしてほしい。ハンドメード雑貨を扱ったイベントやレコードを楽しむ会などの企画も行っていきたい」と話す。
利用料金は1時間600円(ワンドリンク付き)。営業は土曜・日曜・祝日の12時~19時。