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高松「中華そば波」が20周年 78歳店主が切り盛り

店主の地浜重友さん

店主の地浜重友さん

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 高松の中華そば店「中華そば波」(高松市瀬戸内町)が9月で20周年を迎えた。

中華そば

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 かつて高松で屋台を出していた中華そば店「古道」の味を受け継ぐ同店。鶏豚骨と野菜をベースにした黄金色のスープが特徴。メニューは、中華そば(650円~)とチャーシュー麺(800円~)で並(1玉)・中(1.5玉)・大(2玉)から選べる。

 調理は店主の地浜重友さんが一人で行う。開店当初からメニューの数を絞り、1つのスープのみを提供してきた。その理由について、地浜さんは「スープが選べる店も世の中には多くあるが、自分の場合は2種類以上作ったら中途半端なものになってしまうという確信があった。それなら1つのものにこだわり、お客さんが感動してくれるような一品を出したいと思い、スタート時から2品でやってきた」と話す。

 店名の「波」は漁師だった地浜さんの父親に由来する。「母が早いうちに亡くなり、父は自分も含めて6人の子どもを育て上げた。そのことに感謝しているし、父を尊敬しているから漁師だった父の要素を何か店名に入れたいと思い、『波』と付けた」と話す。

 店を始めたのは58歳のとき。当時は長年連れ添った妻と離婚したばかりで、開店資金も姉から借りなければならない状態だったという。「人生のどん底だった。これから人生どうなってしまうんだろうと眠れなかったり、死ぬことを考えたりした日もあった。始めたときは1日10人お客さんが来てくれたら十分と思っていたが、連日多くの方に来ていただいてありがたい」と感謝の言葉を口にする。

 現在78歳の地浜さん。20周年を迎え、「まだまだ修業中の身。今でも『今日のスープは、もっとおいしくできたはず』『逃げ出したい』と思うことも多々ある。それでも毎日多くの方に来ていただいて、自分は幸せ者。自分が納得できる一杯を日々目指している。この身が持つ限り、自分の思う『究極の一杯』に挑んでいきたい」と意気込む。

 営業は木曜~日曜の11時~15時。

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