香川県立文書館(高松市林町)で現在、「まちかど生き物標本展『かがわの生き物の世界-希少野生生物の今がわかる-』」が開催されている。
香川県環境森林部みどり保全課が主催し、旧琴南中学を利用した「ことなみ未来館」(まんのう町)で香川の生き物を展示するNPO法人「みんなでつくる自然史博物館・香川」が企画・展示を行う。
展示では写真や標本を使って、香川の水辺や草原などの環境ごとに、現状やそこで暮らす生き物を紹介するとともに香川県固有種を紹介するコーナーも設ける。丸亀市在住の彫刻家で、環境保全活動家としても知られる北添繁幸さんから寄贈された作品も展示する。
今回の展示について、同NPOの野生生物保護研究員である松本慶一さんは「自然環境は多くの細かいものが組み合わさって成り立っている。例えばカタツムリは小さな生き物だが、カルシウムを多く保有しており、鳥の卵の殻の形成にはなくてはならない。実際にカタツムリが減少した森ではカタツムリを餌にしていたシジュウカラの卵の殻が薄くなってしまい、多くのひながかえれず死んでしまったというデータもある。花粉や蜜をやり取りする昆虫や生き物が決まっている花もある。もしどちらかが絶滅してしまうと、もう一方も生き残れなくなり、結果、それらを餌にしていた他の生き物も死んでしまう。このように、大小さまざまな生き物の命のやり取りのネットの上で我々人間も生きているが、今、そのネットのひもが急速に切れている。このまま続くと人間の生活にも大きな影響が出てしまう。今なら気づいて引き返すことができる。展示を通して多くの人に知ってもらい、香川の自然やそこにすむ、小さいけれど大事にすべき住人たちのことを知ってもらえれば」と呼びかける。
開館時間は9時~17時(2月6日・11日・13日・20日・23日休館)。観覧無料。2月12日・19日の14時から、子ども向けに「むしむしクイズ」も行う(参加無料、当日受け付け)。2月24日まで。