高松・田町商店街内のライブハウス「高松NOAH's ARK(ノアズアーク)」(高松市田町)が3月9日で10周年を迎える。
以前あったジャズバーを居抜きで借りて開いた同店。開店は「当初、思いつきだった」と店主の小笠原将弘さんは話す。「自分もバンドを組んでいて、練習場になったら良いというくらいの気持ちだった。オープン当初は『一年も持たない』と言われたが、続けていくうちに多くのバンドやアーティストと関わるようになり、思いつきと言えなくなってきた」と振り返る。
オープン当初は機材もそろっていない状態だった。それでも他店から機材を譲ってもらったり、自分たちで店内を改装したり、大型のスピーカーを置いたり、ステージを広げたりするなどして、少しずつ店内を改装していった。コロナ禍に入ってからは「ライブのない日でも立ち寄る機会を作りたい」と料理の提供を開始。昨年からはステージデビューを応援する企画も始めた。
10年を振り返って小笠原さんは「他のライブハウス経営者には『10年なんてあっという間』と言われてきたが、自分にはとても長い10年だった。最初の頃は赤字続きで大変だったが、それでも来てくれるアーティストやお客さんのおかげでここまでやって来られた。ライブハウスは年齢や社会的立場関係なく人間関係を作れる場所であり、音楽をやっているときは理屈や理由抜きで楽しい。音楽を楽しいと思う人が集まれば楽しい場所ができる。『楽しく音楽ができる場所』『来る人みんなが笑っている場所』を作るため、今後も続けていきたい」と意気込む。