映画「千年女優」の上映会が3月24日、映画館「ソレイユ・2」（高松市亀井町）で開かれる。

地下に降りる「ソレイユ・2」入り口

　ある女優の人生に迫るうちに現実と虚構が入り交じるストーリーの「千年女優」は2002（平成14）年公開のアニメ映画。

　上映会を主催する河村奏音（かのん）さんは香川大学教育学部の4年生。河村さんは「本作をはじめ『パプリカ』や『東京ゴッドファーザーズ』など今敏（こん・さとし）監督とアーティスト・平沢進さんがタッグを組んだ作品が好きで、大学の友人たちと上映会を開きたいと2年前から計画していた。計画していくうちに友人だけでなく、多くの方と作品の感想を共有したいと思うようになり、映画館を借りて開くことにした。本作には黒澤明作品や特撮映画など昭和の映画作品のオマージュが多く出てくるので、昭和の雰囲気を残す同館にはぴったり。自分も授業の合間に当館に足を運び、映画館で買ったポップコーンを持って次の授業に出席することもあった。思い入れのある場所で開きたいと思い、今回企画した」と話す。

　開催日は同大学の卒業式。この日を選んだ理由について、河村さんは「昨年9月に交通事故に遭い、後遺症もあったことから休学を余儀なくされた。一緒に大学に通っている友人たちと同じタイミングで卒業できなくなったが、花束の代わりに自分に大きな影響を与えたこの作品を贈ろうと考えた」と振り返る。

　「この4年間、高松でさまざまな方に出会った。その中にはイベントを自ら企画し、熱意を持って多くの人を集めて成功させた方もいて、自分もやりたいと感化された。昔は立ち見の人が出るぐらい映画館が観客でいっぱいだったという話を聞いて信じられないと思ったが、それくらい多くの人を集めてその熱気の中で作品を見るのは長年の憧れでもある。この日卒業する友人だけでなく、映画が好きな人はもちろん、普段映画館で映画を見ない人にこそ見てもらいたい。幅広い世代の方に足を運んでもらえたら」とも。

　開催時間は19時～20時30分。チケットは、前売り＝1,300円（卒業生・高校生以下＝1,000円）、当日券＝1,500円（卒業生・高校生以下＝1,000円）。同館や「ホール・ソレイユ」窓口で販売する。