高松出身で政治家・実業家の中野武営の銅像の除幕式が10月6日、高松市の玉藻公園西側広場で開かれた。
香川県の設立に尽力し「香川県独立の父」と呼ばれる中野。この日同園で開かれた「ブエイ祭り」に先立ち除幕式を行った。
銅像は台座込みで高さ4メートル60センチあり、背広姿で西側の高松駅の方向を向く。中野武営顕彰会が設置し、高松出身の彫刻家で2021年に香川県文化功労者に選出された池川直さんが制作した。
除幕式には同会の佐伯勉会長や池川さん、池田豊人香川県知事、大西秀人高松市長、松平家14代目当主・松平頼武さんの長男・頼昌さん、中野のやしゃごに当たる中野肇さん、中野の孫の女性らも参加した。
披露される銅像を見ようと会場には大勢が集まった。高松城鉄砲隊の号砲に合わせて幕が取り去られると会場から拍手が起こった。除幕された銅像の前で高松出身の能楽師・伶以野(レイヤー)陽子さんが小謡を披露した。
佐伯会長は「銅像の建立を考えて5年、コロナ禍などで大変なこともあったが、素晴らしい像が作られ、天候にも恵まれて多くの方が来てうれしい。2018(平成30)年に開いた中野の没後100年シンポジウムのタイトルは『ナカノ・ブエイってだれ?』だった。それから武営さんのことを知ってもらう取り組みをすることで少しづつ高松市民にも認知されるようになってきた。武営さんは『そこに住む人々の生活が一番』ということを信条にしてきた。この像が武営さんの思いや功績を広く長く伝えるものになれば」と話す。