香川の地酒を応援する「讃酒の会」発足の交流会が1月29日、高松・讃岐おもちゃ美術館(高松市大工町)で開かれた。
日本の「伝統的酒造り」が昨年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け開催された同イベント。イベントには香川県内の酒蔵6社のうち「綾菊酒造」「勇心酒造」(以上、綾川町)、「川鶴酒造」(観音寺市)、「小豆島酒造」(小豆島町)、「西野金陵」(琴平町)の5社が集まるとともに、5社の酒をブレンドした「さぬきの酒」のたるを開いて、参加者に振る舞った。参加者からは「それぞれ特色のある日本酒をブレンドした物だが甘口ですっきりとしており飲みやすい」という声が聞かれた。
イベントには池田豊人香川県知事のほか、各酒蔵のある市区町村の町長らも参加した。池田知事は「香川県出身の大平正芳首相が1980(昭和55)年の初閣議で『日本酒は国酒』と発言するなど香川と日本酒には縁がある。県の日本酒はレベルが高く近年では県産のオリーブの実から取った『オリーブ酵母』で醸造した日本酒も作られ、県外からの観光客やインバウンド(訪日客)へのアピール、県の輸出産業としても期待できる」と話す。
川鶴社長で香川県酒造組合会長の川人裕一郎さんは「日本酒を愛する人がこれだけ多く集まってくれた。日本酒は晴れの日だけの飲み物と思われているが、もっと身近な物になっていってほしい。これからも命を賭しておいしい日本酒を作っていきたい」と意気込む。
讃岐おもちゃ美術館の館長で「讃酒の会」の発起人の一人でもある中橋恵美子さんは「香川県の酒蔵数は全国の都道府県中44位と非常に少ない。そんな中でも日々一生懸命に日本酒作りに取り組んでいる酒蔵があることを知ってほしい。おいしい日本酒には良い水が必要で、良い水は豊かな森で育まれる。当館では県産の木を使ったおもちゃや遊具を置いているので、同じ香川の森から生まれる物ということで当館を会場にした。今後も継続して香川県の酒蔵を盛り上げるとともに日本酒を通して1+1が5にも10にもなるような出会いを作れれば」と意気込む。