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高松・塩江美術館で写真家・脇秀彦さん個展 「生と死」テーマに棺おけ使った展示も

作品「消生」前の脇さん

作品「消生」前の脇さん

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 高松・塩江美術館(高松市塩江町安原)で現在、写真家・脇秀彦さんの個展「今を生きている」が開催されている。

花や木、棺おけを組み合わせ、「死後の世界」を表現したインスタレーション

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 脇さんは香川県在住でフリーランスとして活動する写真家。デジタル写真販売サイト「NegativePop」「aliEnte」などにも作品を発表している。個展の開催は今回が初。

 展示のテーマは「生と死」。メインの展示室には写真だけでなく、暗い空間にネオン灯や棺おけ、花木などを配置し、「死後の世界」をテーマにしたインスタレーション(空間作品)を展示。「走馬灯」をモチーフに、棺おけに入ってショートムービーを見る映像作品も用意する。

 別室は日光が差し込み、「生」をテーマにした写真を展示。脇さんが撮った写真に女性アーティスト・英(はな)さんがポップなペイントを施した作品も展示する。

 展示について、脇さんは「メイン作品『消生』を花や木で飾りたいというところから学芸員の方と話が始まった。その中で『枝に色を塗ったら血管に見える』などの気付きがあり、『死後の世界・地獄を作りたい』『生死をテーマにしよう』と準備を進めていった」と振り返る。

 展示作品のモチーフとして多く出てくるのが「縛られた人物」。その意味について、脇さんは「地獄で縛られる罪人たちを表したのと、生きていると何かと縛られることが多いと感じて作品に盛り込んだ。ただ、世の中には縛られることに快感を覚える人もいる。制作を進めていくうちに『自分たちが悪いと思っているものって本当に悪いことばかりなんだろうか』『地獄は本当に怖いだけの場所なんだろうか』と思うようになり、展示も、おどろおどろしい中にサイケデリックでポップさを感じるようにした」と話す。

 「『生と死』とテーマ性が強い題材だが、作品は見る人のもの。自分なりの観点で見てほしい。その中で何か心に残るものがあれば」と期待を込める。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。観覧料は一般300円ほか。10月23日まで。9月23日、10月10日は脇さんと同館学芸員が作品の解説を行う。

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