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劇団R&C、高松市美術館で一日限りの復活 主宰者没後10年を機に

物語には人間や動物など個性的な登場人物が数多く登場した

物語には人間や動物など個性的な登場人物が数多く登場した

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 高松市美術館(高松市紺屋町)1階講堂で10月16日、かつて香川を拠点に活動した「劇団R&C(旧劇団RNC)」主宰・八木亮三さんの没後10年を記念し、復刻公演「瀬戸内海ミュージカルシリーズでつづる平和への祈り」が行われた。

「オトトとピッピの青い海」より 中央が創立メンバーの広瀬多加代さん

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 同劇団は1959(昭和34)年、RNC(西日本放送)のラジオ放送劇団として発足、その後、1976(昭和51)年に「劇団RNC」として独立、1993(平成5)年に名を「劇団R&C」に改めた。R&Cは「Rag&Cherry」の略で「役者はボロ布(rag)一枚あれば、その上で演じられる。演技によって何もない青空にも桜(cherry)を咲かせることもできる」という意味を込めて付けたという。「瀬戸内海ミュージカルシリーズ」は1979(昭和54)年から上演された11作のミュージカルシリーズ。子ども向けながら、瀬戸大橋建設の際の爆破工事を批判したり広島の原爆の悲劇を描いたりするなど、社会派のテーマも描き、全国で上演した。

 今回の公演は、1970~1990年代の所属メンバーを中心に、劇団創立メンバーだった広瀬多加代さんを迎えて行った。同ミュージカルシリーズのうち、「オトトとピッピの青い海」「オトトとチコの海」「ぴっちゃかポッチャカ物語」「私の中をかけぬけた悲しみ」の4作品から15~20分ほどを抜粋し、オムニバス(短編集)形式で上演した。公演中は当時の音源や映像が流れたり、当時の劇団員や観客が思い出を話したりする場面も見られた。

 公演後は集まったメンバーたちによる交流会が行われ、当時を懐かしむ声があちこちで上がった。1980年代後半まで所属していた森直樹さんは「個人的にやり取りをしている人もいるが、大勢で一堂に会するのは久々で感慨深い。所属当時は、上演中にBGMのテープをかける役目を担っていた。今回テープでかけていたBGMの生演奏もあり、また違って聴こえて新鮮だった」と話していた。

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