高松のダンス教室「B.D.C(Beginners Dance Club)Jazz Dance Studio」(高松市多賀町)が11月7日、サンポートホール高松(高松市サンポート)で2年ぶりとなる公演「With You」を行った。
同教室はジャズダンスをはじめバレエなども教えており、小学生以下の子どもたちや中高生など幅広い世代が通う。代表の池田幸枝さんがディレクターを務め、ダンスや音楽を通して香川県の文化芸術の活性化のためのプロジェクト「Stage Fun」の一環で今回の公演を行った。同教室に通う子どもたち60人が出演した。
物語の舞台はクリスマスのある家庭。バレエ作品「くるみ割り人形」を下敷きにしており、同作品内の曲「金平糖の踊り」に合わせたバレエやアップテンポの曲に合わせたジャズダンスも披露した。ボードゲーム仕立てでストーリーは進み、舞台の合間でサイコロが振られ、それに合わせて「お菓子の国」「花の国」「雪の国」と舞台が転換。それぞれに合わせた衣装を着たダンサーたちが踊りを披露した。
今回の公演に至るまでにコロナ禍の影響は小さくなかった。池田さんは「公演は毎年行なっている。昨年も企画していたが、世間の情勢やステージに立つことを怖がる子どもたちも多く、中止せざるを得なかった。企画していたステージもほとんどが中止になり、子どもたちも自分も『何で踊っているんだろう』と分からなくなったこともあった」と振り返る。
それでも「公演は子どもたちにとって日頃の成果を発揮する一つの目標となる場。マスクを着用しての練習や密を避けるための分散練習など、やりづらいと感じるところもあったと思うが、それでもやりたいという声が上がり、開催に踏み切った」とも。
公演はダンススクールに通う生徒たちも一緒になって作り上げる。振り付けを考えた高校生の香川心咲(ここ)さんと高橋風夏さんは「人形やトランプ、お菓子の精やバラの妖精など多種多様なキャラクターが出てくるので、一人一人の個性を光らせること、演者がそれぞれの役やキャラクターに入り込めるよう振り付けを考えた。振り付けの準備期間は3~4カ月といつもより短く、公演ができるかどうかも直前まで分からなかったが、それでも自分たちにできることをした」と話す。衣装は生徒の保護者らの協力も得て作られた。
今後について、池田さんは「Stage Funは『コロナ禍でもステージに明かりを』をテーマに活動している。コロナ禍前はお客さんも巻き込んでステージを作り上げていたが、それもできなかったりして、まだまだ手探りの状態。来年B.D.Cは25周年を迎える。こんな時だが、外に向けて発信を続けていきたい」と意気込みを見せる。
公演の模様は同教室のユーチューブやStage Funのホームページで配信予定。