見る・遊ぶ 学ぶ・知る

高松・塩江美術館で栗原慶さん陶展 瀬戸内からインスピレーション得た作品展示

会場正面のインスタレーション作品「蓮-Ren-2023」

会場正面のインスタレーション作品「蓮-Ren-2023」

  • 18

  •  

 徳島在住の陶芸作家・栗原慶さんによる陶展「Pale Clear」が現在、塩江美術館(高松市塩江町安原、TEL 087-893-1800)で開かれている。

高さや角度で見え方や印象が変わるという

[広告]

 鳴門教育大学美術科教育コ-スで教鞭も執る栗原さん。淡青な透明色とシンプルな見た目ながら技巧を凝らした白磁風の作品が特徴。

 同展では瀬戸内海の波や風、四国の自然からインスピレ-ションを得た作品を展示。立体作品、平面作品、インスタレ-ションなど約20点を展示する。

 会場正面に展示するのはインスタレ-ション作品「蓮-Ren-2023」。2016(平成28)年の「とくしまLED・デジタルア-トフェスティバル」にも出展した作品をシンプルな皿と白磁の筒にアレンジし、砂を使い、ハス池を表現した。作品について、栗原さんは「職場へ向かう道の途中にもハス畑があり、それに自然のエネルギ-を感じる。土器のル-ツをたどると筒と皿に行き着く。土器の始まりとなったものを使って何かを作りたいと思い、題材に選んだ。筒の数も煩悩と同じ108本にするなど、さまざまな意味を込めた」と話す。

 筒は立てて焼くとともに、皿は石こうの型に泥を流し込み、柔らかいうちに手で伸ばし成形した。焼く中でゆがんだり、ひびが入ったり、割れたりするものも出たが、「人間が作りたいと思ったものと土の性質が合致した結果、でき上がるのが陶芸なので、割れやひびも味の一つ」と考え、作品に取り入れたと言う。

 別室には器や花器などの立体作品を展示するほか、徳島・鳴門の四季を表現した平面作品なども展示する。

 「工芸品は実用性は別として、使うことも考えたデザインの美しさがある。長年制作する中で、作り手としての自分のあいまいさと、作品の感じ方は作品が持つものだけでなく鑑賞する側の個性や解釈で変わると思うようになった」と栗原さん。「その時々の作り手の表現とそれを見る人の心情や解釈の関係によって作品は完成する。美術は『見る人と作る人をつなぐツ-ル』。見る人が美術への関心を持ち、関係作りをするきっかけになれば」と期待を込める。

 開館時間は9時~17時。月曜休館。観覧料は一般300円ほか。3月26日まで。18日には、板作りでマグカップや小物入れを作るワ-クショップも行う。参加費1,300円、電話で要事前予約。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース