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高松「吾里丸うどん2」、3月閉店へ 恩返しのため最終月は休まず営業

店主の渡辺錦司さん

店主の渡辺錦司さん

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 高松の讃岐うどん店「吾里丸(ごりまる)うどん2」(高松市宮脇町1)が3月26日の営業を最後に閉店する。

店内に貼られた閉店を告げる張り紙

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 2002(平成14)年に同所でオープンし、2017(平成29)年閉店した「吾里丸」の後を引き継ぐ形でオープンした同店。店主の渡辺錦司さんは当初、うどんを打った経験がなかった。「定年を迎えた年に店の前を通りかかり、『店長募集』の張り紙を見つけた。飲食店経験は学生時代にアルバイトで勤務したきりだが、興味があり応募した」と振り返る。その後、大和製作所(宇多津町)が運営するうどん学校で学び、「手打ちうどんまいどまいど」(坂出市)で修業した後、同店をオープンした。

 1年目・2年目は赤字、3年目になって黒字化し始めたころ、コロナ禍が始まった。経営が困難になり、昨年4月にはクラウドファンディングを行い70万円が集まった。

 閉店について渡辺さんは「コロナ禍でもおいしいうどんを提供したいという思いでやってきて、やめることは考えていなかったが、今回の物価上昇でとうとう立つ瀬がなくなった。飲食店で10年続く店は全体の1割というデータがある。10年続けたかったが、かなわなかった」と無念を口にする。

 近くにある香川大学の学生も多く通う同店。「春になって戻ってくる卒業生たちも食べられるように」と、3月は休みなしで営業する。

 渡辺さんは「学生をはじめ、来てくれる人に安くておいしいうどんを提供したいという一心でやってきたが、物価上昇で値段を上げざるを得なくなり、今回閉店することになるのが残念。時にはうまく作れなかったこともあったが、それでも通い続けてくれたお客さんには感謝しかない」と感謝の言葉を口にする。

 「オーナーから今後も居抜きでうどん店の店主を募集すると聞いている。いつか自分の後を継いで、またうどん店を開く人が出てきてほしい」とも。

 営業時間は10時30分~15時。

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