香川県文化会館(高松市番町1)3階・県民ギャラリーで現在、「手島圭三郎絵本原画展 北の大地・森といのちの交響詩」が開かれている。
手島圭三郎さんは北海道出身の絵本作家。現在87歳。北海道の原風景やそこに棲む生命力あふれた動物たちの姿を緻密な木版画で描く。元は中学校の美術教師だったが42歳のときに木版画に打ち込むため教職を退き、以来、昨年までに野生動物を題材にした絵本40作を出版した。過去には「絵本にっぽん賞」「ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞」「ニューヨークタイムズ選世界の絵本ベストテン」など、国内外の賞の受賞歴も持つ。
同展では脚光を浴びるきっかけとなったデビュー作「しまふくろうのみずうみ」から昨年4月に出版した最新作「きたきつねとはるのいのち」など6作品の原画約100点を展示。絵本内の文章も添える。
会場では毎日2回、読み聞かせ・朗読会を行うほか、2階で絵本マルシェも開催。手島さんが現在までに発表した作品のほか、香川ゆかりの絵本作家の作品も展示販売する。併せて、香川出身の音楽家・土取利行さんが音楽を手がけた絵本のCG作品も上映。
主催する一般社団法人「コミュニティ応援プランニング」の大鹿比佐志さんは「今回約100点の原画を展示したが、手島さんの故郷・北海道でもこれほどの規模感の展示は行われたことがない。生きることだけでなく、死ぬことも自然の摂理。手島さんの作品は、そんな自然の摂理を北海道の厳しい自然の中に生きる動物の姿で表現している。見る人の心に何か伝わる展示になれば」と期待を込める。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、一般=700円、高校生・大学生=500円、中学生以下無料。10月23日まで。