日本総険(高松市サンポート)が8月4日、東京証券取引所(以下、東証)TOKYO Pro Marketに株式上場した。
保険仲立人(ほけんなかだちにん)業を中核としたリスクサービス事業を展開する同社。保険仲立人はブローカー(仲介人)として保険会社(保険代理店)と消費者の間に立ち、締結の媒介を行う。香川県に本社を置く企業では10年ぶり、保険仲立業企業では日本初。
4日に上場セレモニーが開かれ、同社の葛石(かっせき)智社長が東証役員から上場通知書を受け取るとともに、繁栄を願い「五穀豊穣」に由来する5回の打鐘を行った。
上場について、葛石社長は「保険仲立人業は消費者側の代理人となる『顧客本位』の姿勢が求められる仕事。1996(平成8)年の設立から当社では、さまざまなリスクサービスを開発し、顧客本位のあり方の解像度を上げてきた。株式上場を通じて我々は、リスクマネジメントに対する社会の理解を深める活動を活性化するとともに、顧客にとって必要な保険やリスクサービスへのアクセスを拡大する。大企業だけではなく、中小零細企業のリスクマネジメントの一翼を担い、『リスクマネジメントで顧客の資本を守る』という企業理念の実現のために取り組んでいきたい」と意気込む。
「現代の日本社会が抱える問題は、女性活躍における産後鬱(うつ)の問題、介護離職による中核社員の脱落やヤングケアラーの問題、職場のLGBTQの問題など、さらに多様化している。それらにもリスクマネジメントを通じて具体的な解決策を提供したい」とも。