屋島・牟礼・庵治エリアの歴史とデザインをテーマにした企画展が現在、屋島山上交流拠点施設「やしまーる」(高松市屋島東町)で開かれている。
旧屋島陸上競技場に掲出されたロゴなど屋島にゆかりのあるデザインを展示する
瀬戸内海歴史民俗資料館(亀水町)との連携企画。「All Yashima/Local Design Chronicle 心を豊かにするデザインをみつけよう」と題し、戦いの地・信仰の地として発展してきた屋島エリアを「ローカルデザイン」という観点から紹介する。
会場には、イサム・ノグチや流政之、和田邦坊ら香川ゆかりのデザイナーによる作品をはじめ、桜製作所(牟礼町大町)の家具、旧高松市屋島陸上競技場(現・屋島レクザムフィールド)のロゴなど、地域のデザイン史を物語る資料が並ぶ。江戸時代の埋め立て工事や昭和初期の国立公園指定、高度経済成長期の「芸術村構想」など、時代ごとの出来事をたどるオリジナル年表や写真なども展示。屋島の風景と文化がどのように形づくられてきたかを多角的に紹介する。
トークイベントやまち歩きワークショップなどの関連イベントも開催。10月25日に行うクロストーク「山上デザインの変遷」には屋島山上の「ギャラリーアコスタージュ」の店主・馬場弘美さんを迎える。11月8日には「香川のモノづくりとデザイン」をテーマにした連携トークイベントを行う。
中條亜希子館長は「今年は瀬戸内国際芸術祭2025が開催され、源平合戦から840年の節目となる年。屋島エリアの豊かな歴史や文化資源に改めて光を当て、どのようにして現在のように魅力的な地域となったのかを紹介するこの展覧会が、地域の魅力をデザインの視点から再発見してもらうとともに未来に受け継ぐべき地域の価値を考えるきっかけになれば」と話す。
開館時間は9時~17時(金曜・土曜・祝前日は21時まで)。火曜休館。観覧無料。11月9日まで。