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高松市南部3町商店街で「Sanuki X Game」 ゲームと生活の未来考える

「第2回Sanuki X Game」の実行委員会メンバー。前列右から3番目が代表の渡辺大さん

「第2回Sanuki X Game」の実行委員会メンバー。前列右から3番目が代表の渡辺大さん

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 高松市南部3町商店街(常磐街・南新町・田町商店街)で7月10日、「第2回Sanuki X Game(通称=SXG)」が開かれる。

琴平電鉄のゆるキャラ「ことちゃん」も参加した第1回大会の様子

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 高松市南部の3町商店街と周辺店を拠点に学生、ゲームクリエーター、ゲームファンがe-Sports、AR、VRなどで参加者と交流を深める同イベント。ゲーム条例による「世界で一番ゲームに不自由な香川県」から「ゲームと街のことを一番考えている香川県」への発展を目指し、昨年7月21日に第1回を開催。第2回大会のコンセプトは「『ゲームと生活が融合した未来』について思いを巡らし、語り合い、プレイする」。

  同イベントを主催するゲストハウス兼シェアハウス「燈屋」(高松市亀井町)オーナーの渡辺大さんは普段、精神科医として地域医療に取り組んでいる。4年前からゲームクリエーターによる団体「讃岐GameN」で即興のゲーム制作を行うイベント「ゲームジャム」を行ってきた。

 渡辺さんは「香川へのIターン・Uターン者の中でも、ゲーム制作者は親の介護や心の病気など、『ここに来たくて来た』わけではない人もいることを知った。だから、『讃岐GameN』の活動を通して、『ここだからこそできること』を見つけて、1人でもポジティブな気持ちで移住・帰省してほしいと考えていた。そんな中、2020年4月に香川県で『香川県ネット・ゲーム依存症対策条例』が施行され、香川県ではゲームが『遊び・ホビー』から『社会的な関心事』に変わったと感じた」という。

 同条例について「この条例が出たとき、『ゲームを制限するなんて』とゲーム側に立つ声が多かったが、ゲームが原因となる問題は確かに存在するし、ゲームが親子や友達のけんかの原因になったり、他者が入ったりすることで不和の原因になったりすることもある。そして、その事実に対し、精神科医として向き合うこともある。診察していると子どもたちを取り巻く問題に、ゲームが関わる事態が存在することは否定できないと感じる。ゲームに関する悩みや問題を抱えている人が一定数存在するからこそ、この条例も提出・施行されたはず。依存症問題は放置してはならない問題であることは事実で、その目的は否定されるべきではない。だから、当イベントでは同条例に対してYESかNOかという極端な議論はせず、イベントを通じて、ゲームのもつ本質や意義と依存症の現実との両面と向き合い、それぞれがゲームと生活のよりよいあり方を考えるきっかけになることを望んでいる」と話す。

 イベント期間中は、高松東魚市場と協力し、生きた魚を捕まえることができる「おいでまい!あの森のつりぼり」や、子どもたちが書いた妖怪をARアプリで表示させ、妖怪の集団を商店街に登場させる「AR百鬼夜行」も企画している。

 他にも商店街をモチーフに、会場中のブースをつなぐようなゲームや、ボードゲームなどのアナログゲームクリエーターとも協力した企画、依存症外来がある三光病院(牟礼町原)の海野順(しゅん)院長を招いた座談会も企画しているという。

 渡辺さんは「子どもの頃からゲームクリエーターになりたかったが、周囲に理解者がいなかった。もし当時ゲーム作りでつながれる仲間がいたら実現できたのではないかと思うことがある。地域のためにも、年に一度のゲームクリエイターの学園祭のイメージで、ゲームファンだけではなく商店街を行き交う人々にもゲームの楽しさや創る喜びを発信したいと考えている。このイベントがゲームが好きな地域の子どもたちの夢の足掛かりにもなれば」と参加を呼びかける。

 開催時間は10時~16時。

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