現代アート展「第9回 和のコンテンポラリー 春のお城美術館」が4月23日~26日、史跡高松城跡・玉藻公園(高松市玉藻町)の重要文化財「披雲閣」で開催された。
文化芸術交流と若手作家の育成を目的に2013(平成25)年に始まった同展。9回目となった今回は、「和のコンテンポラリー実行委員会」と高松市北西部(鬼無・香西・下笠居)を氏子圏とする宇佐八幡宮(香西本町)と、早稲田大学建築学科有志の学生団体「ReGENE(リジーン)」が共同で開催した。スロベニア、イングランド、ポーランドからも作品を募り、150点を展示。宇佐八幡宮が来年、創建800年を迎えることに合わせ、「800(継承/承継)」をテーマに、先人から受け継がれてきた「和」の美的感性を次の800年へ伝えることを目指して企画した。
会場ではアーティストによる作品のほか、学生や地域住民と共に宇佐八幡宮の周辺地域(笠居郷)の風景や800年の歴史をひもとく展示も行った。神社の成り立ちを伝える縁起絵巻の双軸や祭りに使われる道具などを紹介したほか、同神社の変遷の歴史、同神社や周辺地域の風景などもパネルで展示した。
同神社宮司の泉川時さんは「社など形あるものを受け継ぐ『継承』と、理念など形のないものを受け継ぐ『承継』をテーマに込めた。伝統文化を保存するためには守るだけでなく新たに作り、発信する必要がある。今回、地域の外の目を持つ学生が関わることで『これはできないのでは』と思うことにも挑戦して実現できた。地元に長く根付いたものをいま一度、外部の視点も取り入れて新たな見方ができる展示になった」と手応えを話す。
「和のコンテンポラリー実行委員会」代表で宇佐八幡宮氏子でもある濱野暢子さんは「子どもの頃、神社は遊び場でありテーマパークのように感じていた。今、泉川宮司が神社を次の800年まで残そうと活動していて、その時に感じていたものと同じ熱気を感じる。考えもそろっていて伝統文化と芸術とシンクロさせて違和感なく進められた」と振り返る。
4日間の会期中、来場者は披雲閣の歴史ある空間と現代アート、地域の歴史が交差する展示にじっくりと見入っていた。濱野さんは「披雲閣も国の重要文化財に指定され時代を超えた建造物で、800年という長い時間を感じてもらうにはぴったりの場所。忙しい現代だからこそ、慌ただしい日常を忘れて大きな時間軸の中で歴史を感じてもらえたのでは」と話す。