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高松・冠纓神社の大獅子が秋祭りで26年ぶり運行 地元有志が復活へ奔走

26年ぶりに復活した2頭の「冠纓神社の大獅子」

26年ぶりに復活した2頭の「冠纓神社の大獅子」

 冠纓(かんえい)神社(高松市香南町由佐)で10月25日、秋祭りが執り行われ、香川県指定有形民俗文化財「冠纓神社の大獅子」が26年ぶりに運行された。

石段を下りる「池内大獅子」

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 同神社の大獅子は1970(昭和45)年に県の有形民俗文化財に指定された張り子の獅子で、「池内大獅子」と「古川大獅子」の2頭がある。大正時代に作られた「池内大獅子」は獅子頭の重さが約200キロ、江戸後期の1834年から1844年ごろに作られたとされる「古川大獅子」はそれより少し小ぶりで、それぞれ胴幕(ゆたん)の長さは15メートルに及ぶ。

 かつての秋祭りでは地域から22の獅子組が集まって舞を披露し、そのクライマックスとして大獅子が参道を下りてくるのが伝統で、「かむろのお祭り」のシンボルとして親しまれてきた。地元の中学校の緞帳(どんちょう)にも2頭の大獅子がモチーフとして描かれているが、2000(平成12)年を最後に正式な運行が途絶え、2006(平成18)年に一部披露されたものの、近年ではなぜ緞帳に大獅子が描かれているのか知らない子どもたちも増えていたという。

 そうした中、今年6月に神社の総代や地元の関係者から復活を望む声が上がり、地域の有志チームが中心となって準備を始めた。7月ごろまでは実施できるか不透明だったが、保管されていた獅子頭や上部の飾り、胴幕の保存状態が良好だったこともあり、9月に運行を決断した。本来は大獅子と共に奴(やっこ)やみこしも出ていたが、今回は準備期間を考慮し大獅子のみの復活とした。

 当日は11時から本殿での神事、12時から本殿前で地域の吉光獅子組と丸岡原獅子組による獅子舞奉納に続き、2頭の大獅子が境内から石段を下り、178メートル先の「遊衣館由緒」まで進む「お下がり」が行われた。池内大獅子は地元香南中学校の生徒を含む60人、古川大獅子は40人の担ぎ手が担いだ。北濱恵美須神社(北浜町)や石清尾八幡宮(宮脇町1)などを拠点とする「北濱ちょうさ」も参加し、「伊勢音頭」を歌いながら参道を進んだ。遊衣館由緒前に到着後、丸岡原獅子組・吉光獅子組が再び獅子舞を奉納した。

 26年ぶりの大獅子の姿を一目見ようと会場には石段から山道まで多くの見物客が並び、獅子を追いかけた。お下がりを終えた大獅子の前で記念撮影する人々の姿も見られた。

 同神社の総代会長を務める池内三雄さんは「2頭の大獅子はこの町の誇り。二十数年できずにいた祭りや獅子の運行を若い人が中心となってよみがえらせてくれたのがうれしい。今年出てきたさまざまな課題をクリアし、また来年大獅子を運行できれば。奴やおみこしも復活させたい」と意欲を見せる。

 運営メンバーの一人、林大祐さんは「この1カ月、週末はお祭りの準備に明け暮れて、家でもほとんど休む間がなかった。大獅子の運行が終わったのは自分が中学3年の時。今回大獅子の復活のことを聞いて、自分たちの親世代や祖父母世代でつえを突いて見に来てくれた方もいた。終わった後には涙を流して手を握って感謝してくれる方もいて、苦労が報われた気分。準備中には継ぎはぎだったものが一つになりこの日結実したと感じる」と話す。