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香川の地形が讃岐うどんを生んだ? 高松で地質学からおいしさに迫る講演

講演を開いた長谷川修一さん。着ている上着は2017(平成29)年の「ブラタモリ」出演時に着ていたもの

講演を開いた長谷川修一さん。着ている上着は2017(平成29)年の「ブラタモリ」出演時に着ていたもの

 「さぬきうどん研究会」による講演会「讃岐のジオとうどん~大地の成り立ちから見た讃岐うどん~」が10月25日、高松市仏生山交流センター「ふらっと仏生山」(高松市仏生山町甲)で開かれた。

うどんと地質学の関係を考えるきっかけになったうどんマップを紹介 中讃と高松エリアに多くうどん店があることに注目した

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 1984(昭和59)年に香川大学農学部教授の故真部正敏さんが中心となって設立した同会。讃岐うどんに関する文化的・技術的な活動、調査研究、講演会の開催などの活動を展開する。

 今回は香川大学名誉教授で香川県防災士会会長も務める長谷川修一さんを講師に招き、香川の大地の成り立ち(ジオ)と讃岐うどんの関係性についての講演を行った。

 長谷川さんは、扇状地が発達している地形や伏流水がうどん作りに適していることなど、独自の視点から讃岐うどんのおいしさの理由を解説した。長谷川さんがうどんと地質学の関係に注目するようになったのは2006(平成18)年、香川県内のうどん店マップを見たことがきっかけだという。「うどん店の数や『人気店』とされる店は丸亀市や善通寺市など香川県の中讃エリアに特に集まっている。これは地形的な要因や地質的な要因もあるのではないかと考え、研究することにした」と振り返る。中讃エリアに広がる丸亀平野は緩く傾斜のある平野で、そこを流れる土器川は上流の雨によって一気に水位が上昇するという。「この川の流れが小麦を育てるのに適した扇状地を形成し、讃岐うどんを生む要因になった」と長谷川さんは話す。瀬戸内海の形成についても言及し、島が集中し潮流が速い「瀬戸」は塩田に必要な砂地干潟を作り、それがうどん作りに必要な塩作りやしょうゆ造りにつながったと主張。島が少なく潮流が穏やかな「灘(なだ)」では観音寺市・伊吹島などのイリコの漁場の形成につながったという。

 講演会ではこの説を学会で発表した際のエピソードや、テレビ番組「ブラタモリ」に出演した際の裏話も交えながら、香川の地質や花こう岩、サヌカイトの成り立ちについて語った。講演の後半では地質の視点から食の魅力を伝える「ジオガストロノミーツーリズム」の可能性にも言及。「香川は地質学的に面白い。国立公園に加えてユネスコ指定という世界基準の『ジオパーク』の認定が加われば鬼に金棒で、インバウンド(訪日客)にも訴求できる」と期待を込めた。

 講演を終え、長谷川さんは「地域に住む人々の活動は自然環境によりコントロールされるものであり、文化が起こり持続するのは、大地による要因に由来するから。全国各地にうどんがある中で、なぜ香川県はこんなにもうどんが広まり盛んに作られているのか考えると面白い」と話す。ジオパーク構想について「来年、香川県とも連携してジオパーク推進母体を立ち上げる。この構想の実現には市町や民間団体の協力が必要。今後も協力を呼びかけていきたい」とも。

 さぬきうどん研究会会長の多田伸司さんは「これまで当会ではうどん作り教室を開いてきたほか、香りや健康的な食べ方などさまざまな視点でうどんについて研究してきたが、地質学的にうどんを考察するのは今回が初めて。香川県にはうどんの材料として良いものが多くある。これまでは気候風土の視点で考えていたが、どうやってそれらができたのかもっと根幹的に考えようと思い、長谷川さんを招いて講演会を開いた。今までに考えたことのない観点からの知見が得られて良い機会になった」と話す。