特別展「おとろしいもん-『こわい』をめぐる歴史と美術」が現在、香川県立ミュージアムで開かれている。
「おとろしいもん」は、讃岐弁で「こわいもの」を意味する。同展では、香川県内に残る妖怪に関する資料や、軍記物語などに描かれた悲しい出来事にまつわる作品、自然災害や海難に関する資料など約70点を、6つの章に分けて紹介。根香寺(高松市中山町)、金刀比羅宮(琴平町)、香川大学図書館が所蔵する資料も特別公開する。前期と後期で一部の作品を入れ替える。
第1章「おとろしいって何だろう」では、能面「橋姫」や善通寺市出身の画家・川添正次郎さんの絵画「待ってくれ」など、見る人に怖さや怪しさを感じさせる作品を展示。第2章「地獄の景色」では、県内の寺院に伝わった地獄図を紹介する。第3章「讃岐ゆかりの怨霊」では、日本三大怨霊の一人に数えられる崇徳上皇や、瀬戸内海に沈んだ平家の武将など、物語の中で描かれてきた讃岐ゆかりの怨霊を紹介する。第4章「妖怪たちと讃岐」では、根香寺に伝わる石田雪乕(せっこ)の「牛鬼図」、香川大学図書館神原文庫所蔵の「怪物画本」、金刀比羅宮所蔵の生田久一「百鬼夜行絵」などを展示する。このほか、満濃池の決壊や海難など、人々の暮らしを脅かしてきた自然災害を取り上げる。祈りやお守りに使われた資料を通して、人々が恐怖をどのように乗り越えようとしてきたのかも伝える。
8月2日には、同館主任学芸員の藤井俊輔さんによるロビートーク「讃岐と怨霊」が開かれ、家族連れなど60人を超える参加者が集まった。藤井さんはスライドを使い、崇徳上皇や平家の武将など、讃岐ゆかりの怨霊を解説。トーク終了後には参加者を展示室へ案内し、関連する作品や資料を紹介した。会期中は、学芸員や専門家によるロビートークのほか、地獄図の絵解き、高校生ボランティアによる怪談の紙芝居、夜間開館に合わせたナイトトークなども行う。
藤井さんは「地元・香川の伝承に興味を持ってもらえれば」と話す。
開館時間は9時~17時(9月19日~23日は20時まで)。観覧料は800円。高校生以下と県内在住の65歳以上は無料。10月4日まで。